7月27日から8月17日までのうち10日間、世界遺産・軍艦島(端島)の見学施設の立ち入りが一部制限される。
制限は長崎市が行う炭坑跡災害軽減対策工事によるもの。工事期間中も軍艦島上陸ツアーは行われるが、第1見学所のみの見学となり、第2、第3見学所への立ち入りはできない。
軍艦島では毎年夏に接近する台風の影響で見学施設に損壊が起こり、上陸者の安全確保ができないことから毎年のように見学施設が供用停止となっている。2019年9月に接近した台風17号の被害では復旧に時間がかかり2020年3月まで半年以上にわたって島に上陸しての見学ができない事態が起こっていた。
第2見学所から第3見学所にかけての遊歩道に設置された柵が高波にさらされることにより損壊が頻発していたことから、周囲のがれきにネットを設置する工事が行われる。
軍艦島への上陸クルーズを企画するユニバーサルワーカーズ広報の佐藤義太郎さんは「台風に加え、昨年はアスベスト問題、今年はコロナウイルス感染拡大による施設の閉鎖もあった。観光の目玉として楽しみに予約してくれるお客さまのことを考えると度々の上陸禁止や制限は申し訳ない」と話す。
同社では予約客へ連絡し、可能であれば工事日以外の日程にツアー日程の変更を促すなど対応を行っているという。島では日本最古の鉄筋コンクリート建造物である30号棟の倒壊も進んでいることから佐藤さんは「夏休みにかかるこの時期に30号棟を最も近くで見ることができる第3見学所を案内できないのは心苦しい」とも。
工事期間は7月27日から8月17日まで。