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諏訪町・老舗和菓子店の名物看板を一時撤去 特別警報級台風接近に備え

クレーンで取り外される岩永梅寿軒の看板

クレーンで取り外される岩永梅寿軒の看板

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 長崎市諏訪町で創業190年を迎える老舗和菓子店「岩永梅寿軒」の名物看板が9月5日、台風接近に備え取り外された。

看板が撤去された店舗の外観

 1830(天保元)年に勝山町で創業した同店。何度かの移転を経て現在の店舗は1902(明治35)年に建築されたもの。店舗の軒上にある看板は、大正時代の桟橋架け直しの際に不要になった古い船板を利用して作られたもので、店の顔として長年親しまれてきた。

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 2013(平成25)年には劣化が激しかったことから新しい看板への作り直しも検討されたが、「先祖から受け継いだ看板を守りたい」という岩永徳二社長の熱い思いで文化財などの補修を手掛ける業者の手によって、約3カ月かけて補修が行われていた。

 看板の撤去は9月1日に小笠原近海で発生した台風10号によるもの。過去最大級の勢力に急発達し未曾有の災害が起こる恐れも懸念されることから、看板の保護だけでなく、万一の際に他の家屋・人への被害を及ぼすことを危惧(きぐ)した岩永社長が台風が落ち着く時期まで看板を外すことを決めた。5日の営業終了後に行われた撤去作業ではクレーンが店に横付けされ、慎重に作業が進められた。

 看板を外すのは前回の改修以来初のことで、岩永社長によると、「看板を外したのは私が知る限り半世紀ほど前に父が補修したときと前回の補修以外は記録にもない」と言い、「撤去した看板は台風の発生が落ち着く9月下旬から10月頃には状況を見て元に戻したい」と話す。

 7日は臨時休業する同店。お菓子を通した地域の活性を使命の一つに掲げることから、岩永社長は「お菓子が心の安らぎや元気の回復に一役買ってもらえるよう、これからも心を込めて提供していきたい」と意気込む。