長崎市が発行する情報誌「yoriyori」が11月19日、日本地域情報振興協会が主催する日本地域情報コンテンツ大賞新創刊部門で自治体初の最優秀賞を受賞した。
「若い世代の人に『長崎を選んでもらうこと』が、まちの元気につながる」という考えの下、10代後半から20代までの若い世代をターゲットとした情報誌として創刊した「yoriyori」。今年3月15日発行の創刊号では「ナガサキを遊び倒せ」をテーマに地元の大学生モデルyukinoさんが定番から穴場まで50のスポットを紹介している。
日本地域情報コンテンツ大賞は、全国各地のタウン誌やフリーペーパー、ウェブ・動画に参加を募り、参加媒体の誌面クオリティーや読者の支持などを審査して評価の高い媒体を選定して表彰。新創刊部門は創刊2年以内の媒体のうち、編集コンセプト・コンテンツクオリティー・ユニークさなどを基準に選ばれる。同誌は若者をターゲットに遊びをテーマとする自治体発行の媒体には思えない思い切った設定と「若者目線による遊び」で一貫した内容が評価され自治体初の受賞につながった。10月1日には「ナガサキ 働くリアル」をテーマに第2号を1万1000部発行している。
長崎市秘書広報部長の原田宏子さんは「長崎の文化、元気だった鎖国時代のモノやコトの多様性、多様な価値観の世の中で長崎の魅力を若い人たちに発信して知ってもらいたいという思いからスタートした。脱・行政、脱・ステレオタイプでいいものを作ろうと若い編集スタッフを中心に制作に取り組んだことが審査コメントにも反映されており、目指すものが伝わっていることがうれしく、自信にもなった」と笑顔を見せる。
2008(平成20)年から市が発行する「情熱を持った長崎人」の取材を通して、まちの魅力を発信する情報誌「ながさきジーン!」の創刊から10年がたち、次へのステップを考える中で生まれたという同誌。誌名の「yoriyori」は長崎で多くの人に愛される中華菓子「よりより」に由来し、愛される雑誌にしたいという思い、よりよりの形のようにみんなでより合って集まってやっていきたいという思いから決まったという。
創刊号のテーマについて「若い人たちに『長崎を好きになってほしい』という思いを根底に始まった企画会議で多様性・選択肢という話題から『出会いの場がない、遊ぶ所が少ない』というネガティブなワードがでてきた。実際にはたくさんの魅力があり、場所があり、人がある。素地もあるということを紙面で伝えたかった」と原田さん。今後も「出会い」「住む・暮らす」「挑戦し、成長する」をテーマに年2回発行を予定する。「yoriyoriを通じて、若い人たちに長崎を知ってもらい、受け入れてもらいたい」と意気込む。