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猫愛護団体が譲渡型保護猫シェルター計画 「行き場失う猫助けたい」と支援呼びかけ

ミルクボランティアを行う山野さん

ミルクボランティアを行う山野さん

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 長崎さくらねこの会(長崎市魚の町)が現在、譲渡型保護猫シェルターの開設準備を進めている。

不妊去勢手術を行った目印として耳をカットした「さくら猫」

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 代表の山野順子さんは2017(平成29)年の夏に捨てられていた4匹の子猫を助けることができなかったことがきっかけで猫の愛護活動を始めた。自身が営むテイクアウトの唐揚げ専門店「やんの」(魚の町)の周辺でも野良猫の糞尿被害による問題が深刻化していたことから、1人で調査を開始。野良猫を捕獲し、不妊去勢後に元の場所に戻し、餌やりや糞尿の清掃を行いながら地域猫として管理する「TNRM」活動を行うため、2018(平成30)年に任意団体「長崎さくらねこの会」を発足した。

 不妊去勢手術を行った野良猫は目印として耳の先をV字にカットし、その形が桜の花びらのように見えることからさくら猫と呼ばれている。

 同会が活動を行う魚の町には地元の観光名所の一つである眼鏡橋を中心に中島川公園があり、会の発足当時40匹ほどの野良猫がいた。餌をやる地域住民もおり、猫による糞尿被害が著しいエリアでは「うんこロード」という別名まで付くなど根深い問題となっていた。「野良猫が増えるとさらにトラブルにつながる」と山野さんは不妊去勢の必要性を訴えたが、初めは追い返されることもあったという。何度も通いながら歩み寄り、全頭の手術を行うと同時に清掃活動などを行っているうちに仲間が増え、現在は18人のボランティアと共に活動。行政とも協働して飼い主がいない猫の問題に取り組み、依頼を受けて他の地域のTNRや保護して去勢後に人に慣らした上で譲渡する「TNTA」活動も行っている。「さくらねこの日」となっている今年3月22日には一般社団法人化した。

 路上で倒れている傷病猫の相談や子猫の保護依頼が後を絶たない一方、同団体ではシェルターがなく、活動資金の多くを寄付で賄うことから山野さんは限界を感じていたという。加えて地域猫の世話をしてきた人たちも高齢化が進んでいることから、老猫ホームとキャットホテルを併設する譲渡型保護猫シェルターの開設を目指してクラウドファンディングを立ち上げた。老猫ホームとキャットホテルで得た利益を譲渡型保護猫シェルターの運営や不妊去勢手術や猫の医療費に充てることで持続可能な仕組みをつくり、施設を野良猫の不妊化に特化したスペイクリニックとすることも視野に入れている。

 長崎は猫の多い町としても知られ、江戸時代に貿易港として栄えた歴史から船と共にネズミ捕りとしてやって来た猫をルーツとして、しっぽが曲がった「尾曲がり猫」がそのかぎしっぽで幸せを引っかけてくるという幸運の猫として観光資源にもなっている。一方、長崎県は2020年度の殺処分が犬と猫を合わせて1953匹と全国最多。このうち猫が1528匹と多くを占め、同団体によると長崎市では全てが猫でその9割が子猫という。

 山野さんは「行き場を失う猫たちのためにできることがあるはずという思いでクラウドファンディングを立ち上げた。飼い主のいない猫の愛護・福祉を訴える機会にもできれば」と意気込む。シェルターは終生保護型の猫と譲渡型の猫の施設に分け、譲渡型の保護猫スペースは利用者に開放することでのびのびとした姿を里親希望者に見てもらえる空間づくりを行う。プロジェクト達成後に物件探しを行い、許認可の申請を経て年内に開業することを目指している。

 クラウドファンディングの募集は6月5日まで。

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