長崎市北部の三重・外海・琴海の3地域をクローズアップしたパンフレット「Meet Kita!」の配布が4月から始まった。
「地元の魅力を伝えることで多くの人に訪れてほしい」と3地域の行政サービスを担う長崎市北総合事務所(長崎市琴海村松町)が企画・制作したパンフレット。昨年夏ごろから同事務所地域福祉課の向井さなえさんが中心となり制作に着手した。人・自然・観光施設などを体験しながら巡り、出会いや感動で心満ちる旅を提案したいと、掲載するスポットや飲食店の情報は同事務所や地域センターの職員などに提供を呼びかけた。20代から50代の女性に手に取ってもらいたいと、目を引くデザインを目指したという。
パンフレットの内容に合わせ、長崎で活動するタレントのタナカハルナさんがドライブコースを巡るプロモーション動画も製作した。
外海地域には、2018(平成30)年にユネスコから世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録された構成資産の大野集落や出津集落などがあり、地域を縦断する国道202号線が夕景の美しさで知られる長崎県西部の海沿いを走る「サンセットロード」の一部となっていることからドライブコースとしても人気がある。世界遺産登録への機運が高まった2007(平成19)年ごろから国内外から巡礼に訪れる観光客が増加する一方で、飲食店の利用や特産品の販売などの面で地元経済への恩恵が少ないことが課題となっていた。
三重地域は長崎市内から外海地域に行き来する中間地点にあり、新長崎漁港があることから水産のまち。琴海地域は大村湾を望む農業が盛んで、「長浦すいか」などの特産品がある。
冊子のタイトル「Meet Kita!」について、向井さんは「紹介している地域がおいしい特産品や豊かな自然に囲まれているだけでなく住民の人柄のよさも素晴らしいことから『地域の人に会いにきてほしい』という思いを込めた」と話す。「パンフレットを見て県外から訪れる観光客だけでなく、市内の人にも地域の魅力を知り訪れるきっかけにしてもらえればうれしい」と意気込む。
市内の観光施設や掲載飲食店で入手できるほか、同事務所のホームページからオンライン版をダウンロードできる。オンライン版では英語版も用意する。ホームページでプロモーションビデオも視聴できる。