長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)が現在、若者から「核なき未来」に関する意見を募集している。
同センターは2012(平成24)年4月、公的機関としては世界唯一という核兵器廃絶に特化した研究所として設立。長崎大学医学部の前身に当たる長崎医科大学が医科大学として世界唯一の被爆経験を持つことや、被爆以来、同学部が放射線障害の治療に取り組んできたことなどから、核兵器廃絶に向けた実践的な研究を目指してきた。
現在、研究に当たるのは、4人の専任教員を中心に20人ほど。研究成果を公開すると共に学内での講義や市民講座などで核問題についての情報も発信してきたという。
意見は、同センターの設立10周年記念事業で募集。対象年齢は16歳から30歳。テーマは「核兵器と私たちの未来」で、小論文やエッセイなど応募の形式は自由。サブテーマ「ウクライナ危機が問いかけるもの」で意見を募る。選考結果の発表は9月中旬。優秀賞には賞金5万円を贈り、長崎平和ツアーに招待する。
同センター事務局長で中村桂子准教授は「被爆から75年以上がたち、実際に原爆を経験した人が減っていく中で被爆していない世代に何をしてもらうのかが、被爆地の緊急課題」と話す。選考では「若い世代にどうやったら伝わるか」という視点も採り入れ、審査員の約半数を報道や平和活動に携わる20代にした。
中村准教授は「ロシアによるウクライナ侵攻が連日報道されているが、平和を祈るだけでは変わらない。論理的な行動が大切。意見の募集をきっかけに核廃絶を自分のこととして考えてくれる若者が出てくればうれしい」と話す。
応募は7月31日まで。メールで受け付ける。