出島ワーフ(長崎市出島町)に5月1日、「新選組 まぐろ屋 出島ワーフ店」がオープンした。
大阪を中心に飲食事業などを展開する「マッチプラス」(大阪市北区)が運営する対馬産養殖クロマグロの専門店。
水産庁によると長崎県は養殖クロマグロの生産量が日本一。対馬の周辺海域は激しい海流で、運動量が多くなることから身が引き締まり脂の乗ったマグロが育つため「世界一クロマグロの養殖に最適な海」といわれる。一方、対馬は過疎化による人口減少や生活インフラの脆弱(ぜいじゃく)化、野生動物による生態系破壊が深刻な課題で、2017(平成29)年に施行された有人国境離島法の対象地域になっている。
同社社長の高比耒賢治さんが長崎県の出身でもあることから「対馬のクロマグロを通して、一人でも多くの方に対馬のことを知ってもらい、離島から日本を活気づけたい」と今年2月に天神橋筋商店街(大阪市北区)に1号店をオープン。地元でもおいしいマグロを味わってもらいたいと出島ワーフへの出店を決めた。
メニューはすしと丼に特化し、脂が乗ったマグロを酸味が強い赤酢を使った酢飯と合わせることですっきりした味わいに仕上げる。看板メニューの「新選組本気丼」(3,500円)は酢飯の上にマグロの赤身と中トロ200グラム、大トロ3切れにネギトロ50グラムがのったボリューム感のある一品。店長の井上拓也さんは「開店30分ほどで売り切れることもある。目を引く見た目になっていることから写真を撮って楽しむ若い客の姿も多い」と笑顔を見せる。このほか大トロ丼(並・1,545円)や100%ネギトロ丼(並・727円)など豊富にメニューを用意する。
もう一つの看板メニューのすしは大トロ、中トロ、赤身に加え大トロと中トロのあぶりを2貫ずつ盛った「極上握り」(2,273円)をはじめとする盛り合わせのほか、「大トロ握り」(1,455円)など単品も用意。
「対馬のマグロが世界的に注目を集めておりブランド化されていることが長崎の人にあまり知られていないことに驚いた」という井上さん。「店名の新選組には、おいしいマグロを食べてもらう場所を作ることであまりマグロを食べない長崎の魚食文化に切り込みを入れたいという意味もある。地元の人にも対馬のマグロの魅力を伝えたい」と意気込む。
営業時間は11時~21時。月曜定休。