地域体験プログラム「さかみち留学」を3月から4月にかけて行った斜面地・空き家活用団体「つくる」(長崎市南山手町)が4月26日、参加した長崎大学保健学科の木元茜里さんを招き「振り返り会」を開いた。
空き家だった古民家をシェアハウス兼コミュニティースペースにリフォームし、「つくる邸」として運営しながら、南山手町のある浪の平地区の地域活性化活動に取り組む同団体。プログラムは団体の活動や地域での体験を、より幅広く若い世代に共有しようと企画。今回は「お試し版」としてSNSや口コミで少人数の参加者を募り、まちづくりに関心のある木元さんの参加が決まった。
同プログラムでは浪の平地区で毎年恒例となっている春のイベント「桜まつり」が中心となった。今年は3月26日に開催が決まった同イベント。木元さんはイベントの1週間前からぼんぼりやウオークラリーの案内板の設置などの手伝いに参加。当日は小曽根乾堂顕彰式などのプログラムに参加しイベント運営の一連の流れを体験した。このほか同団体メンバーが専門としているコミュニティーデザインや取材・ライティングといった職能についての勉強会を行うなど多様な視点からまちづくりの手腕を学んだ。
木元さんは医療・看護職を志す中で、地域における居場所づくりにも興味を抱くようになり、学内でも地域ボランティアとして活動するようになった。現在は有志で子ども食堂の企画・運営も行っている。振り返り会では「準備から当日の運営まで、地域行事をどのようにして進めていくのか。自分の活動にも生かせることをたくさん吸収できた」と振り返る。
同団体代表の岩本諭さんは「南山手周辺の地域には心温まる住民との触れ合いやゆったりとした時間、豊かな斜面地の風景などさまざまな体験が転がっている。今後は夏休みなど長期休暇の期間などに定期的に開き、地域活性化やまちづくりに関心のある若者を受け入れていきたい」と意気込む。