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長崎・女の都の無人販売「めのはち」が1周年 地域のにぎわい拠点目指す

来店を呼びかける松尾さん

来店を呼びかける松尾さん

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 無人販売の青果店「めのはち」(長崎市女の都2)が7月25日で1周年を迎える。

ガレージを改装した店の外観

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 店主の松尾英尚さんは県外の大学に進学後、関東の造船会社で設計などに携わっていたが、一昨年11月に妻子とUターンして店がある家を構えた。坂が多く、近隣にスーパーなどの食料品店がない同所。高齢者が多く、最寄りのスーパーがある隣接する長与町の団地にバスで行くには乗り換えが必要となる。「日々の買い物に苦労している」という話を聞いた松尾さんは「近隣住民が手軽に買い物をできる場所を作ろう」と、自宅ガレージで青果店を開くことを決めた。店名は「女の都」と「八百屋」をかけ合わせた。

 店内には、松尾さんがほぼ毎日早朝から長崎西部青果(琴海戸根町)に通って仕入れた野菜や果物などのほか、地域の子どもたちがお菓子を買ったりできるよう駄菓子や飲み物なども並べる。遠くは島原半島などへ自ら足を運び直接農家などを訪れて仕入れることもあるといい、時には魚や琴海地区で栽培されている「長浦すいか」や「琴海横綱メロン」など、広く出回らないご当地の旬の食材が並ぶこともある。

 地域の人に「目新しい話題の商品を届けたい」と4月から毎週月曜を「パンの日」として、無添加にこだわる「はじまりパン」(宿町)のパンを販売。ハロウィーンイベントを開いたり、冬場には焼き芋を販売したりするなどの取り組みにも挑戦。現地に行かないと購入できないご当地商品を仕入れてスポット販売することもある。

 「地域課題にもなっている買い物難民を解決したい」と始めた同店。「近くに店があっても買い物に出かけることも難しい」という高齢者もいることから、近隣地域への配達も行う。SNSや動画配信などを積極的に活用した情報発信にも力を入れていることから、地域外からの来店も少しずつ増えているという。松尾さんは「店を始めたことで地域にいる人の顔がより見えてきた。買い物支援だけでなく、地域の人の交流やコミュニティーづくりにもつなげ、にぎわいの場にしていきたい」と意気込む。

 営業時間は7時~20時。現金とPayPay決済に対応する。

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