市内のかまぼこ製造業者が消費拡大を目指す団体「長崎かんぼこ王国」が11月15日、長崎市役所前広場で即売会を開いた。
長崎は日本一かまぼこ店が多い街として地元の「かんぼこ(かまぼこ)」をもっと知って味わってもらい、長崎の街を元気にしようと地元の水産練り製品製造業者で2011(平成23)年に結成した同団体。長崎の食卓で「おでん」といえば、あご(とびうお)だしをベースに野菜やこんにゃくなどとともにさまざまな種類の揚げかまぼこを煮込んだ「長崎おでん」が一般的で、古くから縁起物としても親しまれるなど長崎人のソウルフードの一つにもなっている。
「かまぼこの日」に合わせて開いた即売会。平安時代の1115年に書かれた古文書にかまぼこ製品が日本の歴史に初めて登場していることや、昔は11月15日の七五三の祝い料理に紅白かまぼこを用意する習慣があったことにちなむ。
会場には杉永かまぼこ、川虎かまぼこ、木村蒲鉾、長崎井上の4社の販売ブースと団体が運営する「長崎かんぼこキッチンカー」が出展。杉永かまぼこはイベントに合わせ、かまぼこ10枚を詰め合わせたセットを用意。川虎かまぼこは長崎産のエソやカナガシラのすり身にそのぎ茶の抹茶を合わせた「雅 ながさき抹茶入り蒲鉾」や長崎名物の皿うどん風や長崎の「卓袱(しっぽく)料理」の一品として親しまれている「あじさい揚げ」をアレンジしたかまぼこなどを並べた。木村蒲鉾は製造時に出る蒲鉾の切れ端を詰め合わせたお買い得なセットを用意。長崎井上は傷などが目立つB級品を詰め合わせたセットを用意。市役所を訪れた市民らでにぎわい、会場では「今夜はおでんにしよう」という声も聞かれた。キッチンカーには12時を過ぎると行列ができ始め、熱々の「長崎おでん」を買い求めた。
イベントにはMaple Cloverが運営する「ばりすき長崎」のイメージキャラクター「ガブりん」も登場し、イベントを盛り上げた。
長崎市商工振興課の担当者によると、「キッチンカーによる即売イベントは各地のイベントやスポーツ興行のフードブースなどでも行っているが、かんぼこの日や2月22日の『おでんの日』は欠かさず行っている」という。キッチンカーがデビューした直後にコロナ禍になってしまったことから「今後はキッチンカーを活用して、できたてのかんぼこを届けることで長崎かんぼこの魅力を多くの人に知ってもらいたい」と話す。