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稲佐山公園で子どもたちが測量体験 「測量の日」にちなみ

初めて見る測量機器に興味津々の子ども

初めて見る測量機器に興味津々の子ども

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 測量体験イベント「稲佐山ではかろう!」が6月1日、稲佐山公園(長崎市淵町)で開催され、長崎近郊の親子50人が参加した。主催は長崎県測量設計コンサルタンツ協会。

測量体験をする子ども

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 6月3日は1949(昭和24)年に国が測量法を公布した日に当たることから、1989(平成元)年、「測量の日」と制定された。そうしたことを踏まえて、子どもたちに「測量」という仕事を知ってもらおうと企画した。2018(平成30)年に初開催し、コロナ禍のオンラインイベントを挟み同所での開催は今年で5回目となる。

 当日は、同協会の吉川國夫会長が「土木の現場で使う測量機器を実際に体験できる機会。ぜひ楽しんでほしい」とあいさつ。長崎大学職員のデミー博士こと出水享さんが「測量の秘密」をテーマに「測量とは地面の形を測ること。街を作る土木の仕事は『計画』『測量』『設計』『工事』の順で行うが、しっかり測量しないと、できあがった街や道路がガタガタになってしまうので重要な役割を果たしている」と説明。土木の役割や世界トップレベルの日本の土木技術についても紹介した。

国土交通省九州地方測量部の阿部誠さんは「地図と私たち」をテーマに、地図を作るための測量や江戸時代に日本で初めて実測による日本地図「大日本沿海輿地(かいよち)全図」を完成した伊能忠敬の実績を紹介。現在では全国に1300カ所設置された電子基準点によって測量の精度が大幅に向上していることにも触れた。

 5つのグループに分かれた参加者は国家資格である測量士の資格を持った技術者の指導の下、50メートルの距離を歩いて測る「歩測」、実際に測量の仕事で使う機器を使って高さを測る「水準」、公園内の数十カ所を測り、測ったポイントを結んで絵を描く「平板」、測量機器を用いて距離や角度を測る「光波」の4つの測量方法を体験。ドローンのテスト飛行では自動操縦のスイッチを押し、あらかじめプログラムされた経路を自動飛行しながら稲佐山上空からの映像で空中写真測量を行うための撮影体験も行った。

 同協会で技術委員長を務める川崎守さんは「子どもたちに土木現場で働くお父さんの姿を知ってもらおうとスタートしたイベント。少子化で業界の担い手が減っていることから、一般からの参加も募集して続けてきた。前年より参加者も増え、『楽しかった』と喜んでくれる子どもたちも多かった」と振り返る。

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