「野母崎の小さな水族館 サンゴ礁の家」(長崎市高浜町)が7月31日、オープンした。
2021年9月に閉業した熊製麺の工場跡にオープンした同館。1952(昭和27年)創業した同店はちゃんぽん麺などを製造し、地域のスーパーなどを中心に販売。長崎市南部を中心に69年にわたり愛されてきた。
同施設を運営する「海水館NOMOZAKI」代表の政田信彦さんは関西出身。2002(平成14)年、大阪府藤井寺市に観賞魚や養殖サンゴの飼育用品販売や通販を手がける「海水館 水族環境学研究室分室」を開設。2012(平成24)年に施設から車で5分ほどの場所にある脇岬町に移転していたが、2018(平成30)年に奈良県天理市に移転後、2021年に体調不良で閉業していた。
その後も「野母崎エリアの地域活性のきっかけにしたい」と同地区で小規模水族館の開設を目指して模索していた政田さん。うまくいかず諦めかけていたところ、地域活性化活動や互いの仕事の支え合いで親しくしていた同店の店主から工場跡を厚意で借りることになり、半年ほど前から水族館の開設に向けて準備を進めてきた。ロゴには製麺所で使われていたクマと旧海水館の青い玉を合わせたイラストを合わせた。
館内には野母崎で採取したサンゴや野母崎周辺の海に生息する魚を集めたコーナーをはじめ、政田さんが養殖を手がけてきたイシサンゴやソフトコーラルなどのサンゴを20台ほどの水槽に展示。脇岬町に2000(平成12)年まであった「のもざきマリンランド 貝の博物館」に展示されていた貝殻の一部を展示するスペースのほか、コリントゲームなど手作りの木のおもちゃを並べるスペースも設置。外部のアーティストなどに場所を貸す企画展示場も備える。
政田さんは「地域活性化のために再出発したいと考えていたところ、熊製麺の店主との付き合いがきっかけで、わずかな予算で水族館の開館を実現できた。地域を盛り上げるきっかけになる場にしていきたい」と意気込みを見せる。
開館時間は11時~17時。入場料は、18歳以上=300円、4歳以上=100円、幼児無料。幼児は要保護者同伴。水曜休館。