核廃絶を訴えるアメリカのドキュメンタリー映画「カウントダウンZERO」の特別試写会が8月28日、長崎原爆資料館ホール(長崎市平野町)で行われ、招待客約120人が鑑賞した。
「カウントダウンZERO」(C) 2010 NUCLEAR DISARMAMENT DOCUMENTARTY, LLC
試写会前に、中村明俊長崎原爆資料館館長が「今年は、オノヨーコさんの講演会などが本ホールで行われ今回の試写会が締めくくりのような形となる。この映画を見て核廃絶のアクションに皆さんがますます関心を寄せてもらえれば」とあいさつし、田上富久長崎市長のメッセージを代読した。
田上市長は「核兵器の問題は長崎と広島の被爆地だけの問題ではない。映画を通して核兵器による大量破壊のすさまじさや放射能の恐怖について市民の理解を深まり「核兵器のない世界」の実現に向け尽力することを期待する」とメッセージを寄せた。
映画は、世界中に存在する核兵器の実情や、ミハイル・ゴルバショフ元ソ連大統領、ジミー・カーター元米国大統領、パルヴェーズ・ムシャラフ元パキスタン大統領など各国の元首脳や元CIA工作員などの証言、核兵器の材料となる濃縮ウランの入手ルートや、テロ行為による核兵器の使用の恐怖などさまざまな視点から構成し、世界に約2万3000個存在する核兵器の恐怖にさらされている世界の現状を伝えている。
試写会に参加した長与町の佐藤さんは「もっと真剣に核兵器のこと、子どもたちの未来を考えなければいけないと感じた。核の現状や恐怖について知らないことがたくさんあり胸がいっぱいになった」と目を潤ませた。長崎市の平田さんは「核は怖い。さまざまな判断で核の使用が回避されていたことを知った。核廃絶について前向きに関わっていきたい」と話した。
同映画は当初4月16日に公開される予定だったが、東日本大震災による影響を受け公開を延期。今回の公開開始となった。
9月1日からTOHOシネマズや日劇ほか全国で順次公開する。