中華人民共和国・駐長崎総領事館(長崎市橋口町)の李文亮総領事(57)が11月8日、コミュニティー放送・長崎市民エフエム放送(大黒町)の番組「あきやま辰夫のみんなのラジオ」に生放送でゲスト出演した。
あきやま辰夫さん(59)は今年3月まで県庁職員だったが、定年を前に家族の介護のため退職。県庁職員時代から人を楽しませることが大好きで、いろんなイベントを自ら仕掛けたり、自分でバンドを結成したりするなどで活躍していた。退職後のある日、音楽イベントに出演していた際に新しいラジオ番組の企画を模索していた同局スタッフと出会い、6月2日から毎週月曜から金曜までの正午からの1時間番組「あきやま辰夫のみんなのラジオ」のパーソナリティーとして冠番組を担当することになった。あきやまさんは県庁国際課在職中から長年、中国総領事館に関わってきた信頼関係もあり、李総領事が出演を快諾したという。
李総領事は昨年6月20日に駐長崎総領事として着任。それまで本国の外交部と駐札幌総領事館や東京の中国大使館などに勤務。日本での勤務年数は23年5カ月に及び、日本の歴史や文化にも精通している。外交部新聞局に勤務した経験もあり、気さくでサービス精神旺盛な性格は多くの人たちに人気がある。李総領事は、今年9月に孔子廟(こうしびょう=大浦町)で行われた孔子祭では献官(けんかん)役を、10月の長崎くんちでは大黒町の唐人船で大人(たいじん)役を務め、今月3日から6日までは新しく就航した上海航路の大型客船に往復路とも乗り込み、上海と長崎との架け橋となって上海航路のPRに尽力した。
また李総領事は、上海から乗船してきた上海市政府関係者や中国のマスコミ関係者など約60人が長崎さるくを体験する際に自らガイドを申し出て、田上長崎市長が「日中親善名誉さるくガイド」に特別認定。旧香港上海銀行長崎支店記念館(松が枝町)、孔子廟、唐人屋敷(館内町)などを案内した。
番組が始まると李総領事は「いつも楽しく番組を聴いてます」とユーモアたっぷりにあいさつ。自己紹介の後、上海航路での搭乗体験や長崎の孔子廟には中国にもない宝がある話などを次々に披露。いつもはゲストをリードするあきやまさんも、李総領事のペースに乗せられて楽しい雰囲気のうちに1時間の生放送が終了した。
放送終了後、李総領事は「とても楽しい時間だった。長崎と中国との交流は歴史も深く、長崎の人たちは温かい。総領事館の近所の人たちもいろいろと私たちに協力してもらう。外交といっても基本は人と人。こうした草の根の交流をこれからも大切にしたい」とも。あきやまさんは「こんなに緊張した放送は初めて。うれしくて朝4時に起きて準備したかいがあった」と額の汗を拭っていた。
放送の内容は番組専用ホームページのアーカイブで聴くことができる。