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第1回「トイレ川柳」、長崎で入選作品発表-グランプリに「トイレの神様人形」

グランプリを受賞した龍田広和さん

グランプリを受賞した龍田広和さん

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 長崎の市民団体が先月まで募集していた「トイレ川柳」の入選作品が決まり、11月10日、オフィシャルサイトで発表された。主催は「みんなにやさしいトイレ会議実行委員会」

グランプリの賞品「トイレの神様人形」

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 同委員会の発足は委員長の竹中晴美さんが25年前に女性限定の「長崎ウーマンズ・ウォークラリー」を企画したとき、女性の街歩きには公衆トイレの整備が不可欠だと考え、公衆トイレの実態調査を始めたことがきっかけ。当時はまだくみ取り式の公衆トイレも多く、1年がかりで外観や内部の写真を撮り、点数付きリポートとして行政に提出したところ、その後の10年間で長崎の公衆トイレは見違えるほど立派になった。

 ところが立派になった外観に比べ、女性にとっての使いにくさや清潔感、外から丸見えの入口、不適格な立地など多くの課題が解決されないまま残った。その現状に問題提起するために「まあだだよ」というタイトルの公衆トイレ実態調査の本を出版したところ、楽しい読み物に仕上がったことも手伝って全国から大きな反響があり、神戸大学のテキストとして採用されたり、日本トイレ協会の小林純子副会長との出会いにもつながったりした。

 にもかかわらず、多くの女性が公衆トイレに入りたがらない実態は改善されないまま。どうしても納得できない竹中さんは今春、同委員会を立ち上げ、3月の第1回公開会議、6月の第1回シンポジウムと公衆トイレの改善活動を再開した。また毎月1回メンバーの勉強会を開くなど積極的に活動している。

 「トイレ川柳」公募は再開活動の第3弾。改善が進まないのは、公衆トイレに対する一般市民の関心が少ないことも理由の一つと考え、もっとトイレに関心をもってもらうことと利用者のマナー向上を目的として公募した。初めての公募で十分な告知ができていないにもかかわらず、10月25日の締め切りまでに全国各地から182人、全429作品が集まった。思わずニヤリと笑いを誘う作品など力作がずらりと並ぶ。

 グランプリは会社員・龍田広和さんの「我は呼ぶ イケてるトイレを イケ便と♪」に決定。賞品として金沢市の「トイレの神様人形」とオリジナルトイレットペーパーが贈られる。大賞には上戸真弓さんのユーモラスな作品「トイレには 神(紙)が居(要)るのよ 福(拭く)の神(紙)」が選ばれた。そのほか優秀賞4点、佳作20点、推薦トイレ賞2点、子ども佳作3点が選ばれ、各賞に応じてトイレ型貯金箱やオリジナルトイレットペーパーなどの賞品が贈られる。

 グランプリの賞品となった「トイレの神様人形」は、金沢市では江戸時代から家の新築や改築の際に土で作った夫婦の人形をトイレの下に埋める風習があり、今でも金沢市内の神具店で販売している。最近は植村花菜さんの「トイレの神様」のヒットの影響でマスコミの取材などが集中し、それまで1カ月に2~3個だった売り上げが300個ほどに伸びている店もあるという。

 「告知が不十分だったのに、ふたを開けてみれば400通以上の作品が全国から集まったことに驚いた。それだけトイレは身近な存在。長崎が観光都市だというなら公衆トイレは女性が安心して快適に利用できなければ」と力説する竹中さん。「公衆トイレにも神様がいる。みんなで大切にしよう」とも。

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