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長崎のサイト運営者が若手デザイナーら雇用-デザイン名刺が好調

サイト紹介のチラシを手にする末富社長(左)と渡邉さん(右)

サイト紹介のチラシを手にする末富社長(左)と渡邉さん(右)

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 長崎のポータルサイト「Gify」(長崎市清水町)が若手デザイナーを雇用して作るデザイン名刺が口コミで人気を集めている。

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 サイトと同名の運営会社の末富貴司社長は、苦手なパソコンを習得しようと2010年の春、パソコン教室に通い始めた。ところが仕事がない若者たちが多数在籍していることに強烈なショックを受けたという。「パソコン教室には大学や専門学校を出て素晴らしい能力にも気力にも恵まれた若者が、一生懸命ハローワークに通っても仕事がないという悩みをたくさん聞いた。具体的なビジネスプランがあった訳ではないが、何とか若者たちのために仕事が作れないかとポータルサイトを作ることを思いついた」と末富さん。

 その後、長崎県の話題を集めたポータルサイト「Gify」を立ち上げ、個人事業として仕事を始めた末富さんは、友人、知人を介して口コミで仕事をもらい、ホームページ制作・管理、パソコン設置・設定作業、パソコン訪問指導、パソコンでのオフィス作業支援、ロゴマーク・イラスト作成、各種イベントの運営など少しずつ広げていき、パソコン教室で知り合った若者などをスタッフとして雇った。今年5月には事業を法人化した。

 スタッフの一人でホームページの作成や運営、ソフトプログラミング、サイトに掲載する記事の取材など幅広く担当する渡邉俊介さん(27)は「警察官をはじめ、職種もあまりえり好みせずに民間企業も数多く面接を受けたがどれもだめだった。せっかく身につけてきたIT技術が生かせるし、なにより末富社長から声を掛けてもらえたのがうれしかった。そもそも選択の余地はなかった」と振り返る。先月、知人の紹介で名刺の作成依頼を受けた末富さんは、デザインが得意なスタッフに仕事を任せ、完成品を納品に行くと偶然居合わせた人からその場で名刺の注文を受けた。

 「デザインを気に入ってもらい、口コミでデザイン名刺の仕事がどんどん入ってきて忙しくなってきた。若者たちの仕事が評価されたことがとてもうれしい」と話す末富さん。「零細企業が大きなことを言うようだが、埋もれているタレントの卵やこれからの可能性を秘めた小さな企業を応援したい。あふれる若いエネルギーとアイデアを総動員して長崎のためになる仕事に全力で取り組みたい」と力を込める。

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