長崎の民話などを配信するポッドキャストが2周年-9ジャンルを配信

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 長崎卸センターサービス(NOCS、長崎市田中町)が運営する長崎の史跡や人物、民話などを朗読で紹介する無料のネット配信システムが4月25日、配信開始から2周年を迎えた。

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 同社が最初に配信を始めたのは、1953(昭和28)年4月からNBCラジオが延べ1万回以上にわたり放送した名物番組「長崎ものしり手帳」。郷土史家の故永島正一さんが構成を担当し、長崎の歴史や文化、ゆかりの人物について語る内容。永島さんの遺族やNBCの許諾を受けて15話を選んで朗読したものを毎週1話ずつ配信し、「シーズン1」としてまとめられている。

 現在は、さらに10話を追加した「長崎ものしり手帳・シーズン2」や「長崎ものしり手帳・番外編」が加わり、同シリーズ以外にも「長崎の民話シリーズ」を「長崎編」「諫早・島原編」「五島編」「県北編」「全県編」として追加した。コンテンツの一部はユーチューブで配信されている。

 今年4月22日からは長崎の郷土史家、越中哲也さんの著作「長崎ひとりあるき」の中から10話を選んで配信。越中さんは民話「飴屋の幽霊」の舞台になった光源寺の息子として生まれ、旧制長崎中学校、龍谷大学文学部仏教学科を卒業。その後、第二次世界大戦で徴兵されたが復員後に長崎市立博物館に学芸員として勤務。1974(昭和49)年に館長に就任した。定年退職後、長崎歴史文化協会を設立し、長崎純心女子短期大学教授などを務めた。「長崎くんち」や「精霊(しょうろう)流し」の時期には、テレビの名物解説者として市民に広く知られている。朗読を担当したやまだ眸月真(むつみ)さんは、長崎生まれの長崎育ち。1990年の長崎旅博覧会イメージソング「私ここにいます」でデビューした「ひまわり」のメンバーの一人。

 同社の親組織「協同組合長崎卸センター」専務理事で企画を担当した笠瀬伸一郎さんは、「配信を始めてからコツコツとコンテンツを追加してきたが、累積するとかなりの数がダウンロードされており、解析すると関東方面からのアクセスがかなり多いのが興味深い。これが有料配信だったら相当黒字になっている」と笑う。

 「知っているようで知らない話も多く、面白いと言ってもらえたときは本当にうれしい。歴史や文化は意識して伝えなければ風化してしまうので、楽しんでもらいながら後世に伝えられれば」とも。同社では今後も新たなコンテンツを開拓していくという。

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