長崎でデザインに関する啓発活動を行っている「null 長崎都市・景観研究所」が5月15日に発行した有料広報誌「ナガサキデザインニュース(略称NDN)」第3号の付録「サカード」がデザイン関係者の間で話題になっている。
同誌は今年1月、長崎で活躍するデザイナーや、長崎にあるデザイン的に優れた風景スポットなどを紹介する広報誌として創刊。フリーペーパーにすれば広告主の意向を優先させなければならず、デザイン性や独自性が犠牲になりかねないとの考えから1部50円で販売。第3号ではデザイナーの岡本一宣さんや軍艦島の港風景、東京や熊本からのデザイン情報などを紹介している。
毎号付録を付けるのも同誌の特長。創刊号には「カワイイ大冒険・特製マップ」、第2号では「ナガサキの卒業制作・研究特集」、今回の「サカード」と続く。サカードは坂の街・長崎を象徴する付録で「坂カード」をもじったもの。2007年に国土交通省や独立行政法人が管理する111のダムをトレーディングカード化し、表面にダムの写真、裏面にダムの所在地や細かい情報が記された「ダムカード」にヒントを得たという。
「サカード」では5つの観点からそれぞれの坂を評価してポイント化することで、坂の特徴を分かりやすく表現している。カードを手にした人が実際に街歩きに使えるように地図も掲載。「今までの付録以上に工夫して遊べるところが、とても評判がいい。2部、3部と追加で買い求める人も少なくない」と話すnull代表の「にわ仮面」さん。
「サカード」は同誌を買って開封するまでは、どのカードが入っているか分からない。そのため、購入者の中には「サカード」を使った遊びを考案して勝負したり、各自が買い求めたカードを見せ合って楽しんだりしている人もいるという。
「お茶の秋月園・浜町店」「石丸文行堂本店」「サンカクスタジオ」ほかnullのホームページで紹介する店舗で販売している。