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長崎で「日本の電力エネルギーと環境問題」勉強会-総科大客員教授が解説

勉強会の様子

勉強会の様子

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 企業組合eタウン(長崎市魚の町)で1月16日、今年最初のメンバー内勉強会「梁山泊(りょうざんぱく)セミナー」が開かれた。

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 同組合は、さまざまなメンバーがコミュニティービジネスなどの場を通じて出会い、「まちおこし」のためのビジネスを起こそうというコンセプトで2006年4月に発足した。活動の中から始まった同勉強会は毎月1回、メンバーに呼び掛けて開いている。学生から自営業者、会社員、デザイナー、会社役員、公務員などメンバーの職業はさまざま。毎回、10人~20人ほどのメンバーが出席して意見交換している。これまでも、興福寺の松尾法道住職を招いて「興福寺の歴史」と題して隠元禅師(いんげん豆を日本に伝えた)ゆかりの同寺の歴史を学んだり、ペット仏具を販売する琴岡賢彦さんが「ペット仏具」事業について講義をしたり、対象となる分野は幅広い。

 83回目となる今回は長崎総合科学大学大学院の山中孝友客員教授を講師に迎え、「日本の電力エネルギーと環境問題」について勉強した。山中教授は1961(昭和36)年、姫路工業大学電気工学部を卒業。同年、三菱重工長崎造船所に入社し、火力発電プラント関連部署に配属される。1971(昭和46)年から東京本社勤務。1992年、火力サービス推進センター長。1997年から4年間、長菱制御システム(現・MHIコントロールシステム)社長を務め、2004年に長崎総合大学大学院の客員教授に就任するまで、火力発電プラント一筋のキャリアを積んできた。

 勉強会の冒頭、山中教授は「日本の電力エネルギー事情についてはさまざまな意見があると思う。今日は政治的な話は抜きにして、日本の電力事情を知ってもらえれば」と話し始めた。山中教授は「電力の供給で一番重要なことは周波数制御。再生可能エネルギーはここが課題」と強調。ヨーロッパが網の目のように送電線が引かれていることに比べ、日本はフィッシュボーン(魚の骨)形になっていることもネックであることなど、さまざまな視点から日本の電力事情を解説した。

 勉強会後の交流会でメンバーの男性は「火力発電所が出力調整のために夜は停止して、早朝に再起動していることを初めて知った。しかもその作業に2時間もかかるとは、担当する人たちは毎日大変だろうと思う。原発問題など個人的にはいろいろ思うところはあるが、みんなで真剣に考えていかなければならないと思った」と振り返る。

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