長崎市内の観光地、眼鏡橋を中心としたエリアで7月31日、8月1日・21日・22日の4日間、夏の風物詩「長崎夜市」が行われた。
長崎夜市の前身にあたる「中島川まつり」は、長崎大水害罹災後の中島川流域のにぎわいを取り戻すため、江戸時代からの川まつりの精神、川を生かした地域活性化をコンセプトに毎年5月5日に実施されていた。2006年の「長崎さるく博」の際に拠点イベントとして、夏期の毎週土曜の夜に「中島川夏風情-長崎夜市」としてリニューアルされ、今年で5年目を迎える。
開催当日は、昔懐かしいビール、ラムネ、駄菓子、焼き鳥、金魚すくい、くじ引きなどの屋台が数多く立ち並ぶ。地元の自治会や会場近くの浜の町周辺の店舗経営者などが屋台の運営に当たる。
眼鏡橋前の広場では、二胡演奏や銀屋町の鯱(しゃち)太鼓などのイベントも盛大に行われた。長崎夜市の広報を担当する橋本さんは「運営陣が徐々に世代交代しており、若者が中心となって縦割りでなく横の連携を進めながらやっている。まだ十分とは言えないが、若者の視点で男女の出会いの場としての祭りに発展しつつあるのがうれしい」と話す。
メーンイベントとなる銀屋町の鯱太鼓が登場するころには、眼鏡橋周辺は身動きがとれないほどの人が集まり、勇壮な鯱太鼓に「よいやー」や「もってこい」の掛け声が会場のあちらこちらから掛かった。
東京から旅行で来ていた20代の女性グループの1人は「地元の人が『もってこい』と大声で叫ぶのがとても不思議だった。『もってこい』の意味が分からないと自分たちで話していたら、隣のおじさんが『アンコールの意味だよ』と教えてくれた」と話す。
別の20代男性は「市内に住んでいるが初めて来た。屋台の人や、全く知らない人とも、なぜか自然と仲良く盛り上がれた。来て良かった」と振り返った。