1月にオープンし、ステージで気軽にギターが弾けることが受けているスナック「フォーク酒場1970」(長崎市銅座町、TEL 095-824-6452)がじわり人気を集めている。
同店はマスターの榎島英巳さん(58)がフォーク世代の憩いの場を作ろうと開いた。開店当日がサッカーアジア杯の準々決勝の日に当たり誰も来なかったり、急激な気温低下で雪が降り、街に人影がなくなったりと当初は集客でかなり苦労したという。
「せっかく念願の店を開店できたのに、このままではつぶれてしまうと夜も眠れなかった」と振り返る榎島さん。その後、店のホームページを作ったりツイッターで呼びかけたり、ビラを作って手配りしたりと告知に励んだ。今月3日からのランタンフェスティバルに大きな期待をしてみたものの、当初は思うように集客できなかった。危機感にかられた榎島さんはホームページで「ランタンフェスタ期間中は無休」と大きく告知。すると福岡から若い女性客2人が飛び込みで来店したり、長崎市内の客も口コミで少しずつ増えはじめ、電話での問い合わせも入るようになった。23日には大阪の民放ラジオ番組に電話で生出演するという。
「いきなり大阪のラジオ局から電話があったので驚いた。今はネットを介して口コミが広がるからか思わぬところからお客さんが来てくれるし、思わぬことが起こる。許可をもらって、お客さんが楽しんでいる写真などをホームページで紹介させてもらったのが良かったのかもしれない。演奏用の椅子をプレゼントしてくれる人まで現れた。本当にありがたい」と話す榎島さん。
「一番人気」のアーティストは「かぐや姫」で、女性に人気の歌は「なごり雪」だという。20~30代の若い女性客も少なくない。「天城越え」などの演歌を歌う若い女性もいて、フォーク世代の男性客との世代間交流も盛んだという。
「一番多いのは当然、40~50代のフォーク世代の男性客。サラリーマンから会社役員や管理職、自営業、多忙なフリーランスなど職業はさまざま。今までこんな形態の場所がなかったので、みんな自己解放に飢えているようだ。演歌でもオーケー。おじさんもお姉さんも、昔お姉さんだった人もオーケー。マナーやルールを守って、みんなが楽しくなれる時間を共有できる人なら誰でも歓迎する」と榎島さん。
営業時間は20時~翌1時。日曜定休。今月25日にはラジオパーソナリティーでもあるフォークシンガーの川田金太郎さんがライブを行う予定。