今年7月末で閉店した旧博多大丸長崎店の解体現場の外壁に子どもたちの壁画が飾られ、通行する人たちの目を楽しませている。主催はハマスカ実行委員会(長崎市浜町)。
この壁画は、ピカソのゲルニカと同じ大きさのシート製のキャンバス(3.5メートル×7.8メートル)に子どもたちが平和の絵を描くという世界的なアートプロジェクト「キッズゲルニカ」の活動の一環として提供されたもの。外壁に直接描かず、シート上に描いたものの上下をロープなどで固定している。キッズゲルニカのコンセプトでは壁は隔たりを意味し、移動可能なキャンパスに描くことで世界の平和の実現のために国家、人種、宗教、文化そして人々の間の「隔たり」をなくす意味があるという。同店跡地には現在2枚の壁画が設置されている。
「とてもすてきな絵なので思わすシャッターを押した」と話す、カメラが趣味という若い女性も。別の60代の男性は「大丸がなくなって殺風景だったが、こういう彩りはこの場所には絶対必要」といつまでも眺めていた。
同実行委員会の安元さんは「大丸の跡地に新しい商業施設が完成するまで2年以上かかる。仕方のないことだが、その間が殺風景なままでは街の活性化にも影響する。近いうちに、壁画を全国から公募する計画を進めているが、それまでのつなぎとしてお願いした。早く壁全体をにぎやかにして多くの人が癒やされるスポットにできれば」と抱負を口にする。