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眼鏡橋近くに「長崎凧(ハタ)」専門店「大守屋」-55歳会社員、脱サラ開業

真剣なまなざし長崎凧(ハタ)作りに励む店主の大久保学さん

真剣なまなざし長崎凧(ハタ)作りに励む店主の大久保学さん

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 長崎の眼鏡橋近くに9月17日、長崎凧(ハタ)専門店「大守屋」(長崎市古川町、TEL 095-824-2618)がオープンした。

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 長崎では凧のことを「ハタ」と呼ぶ。店主の大久保学さん(55)は趣味で十数年前からハタを作っていた。しかし、ハタ作りへの情熱は冷めやらず、あることがきかっけとなり、定年を待たずに脱サラしてハタ専門店を開くことを決意したという。

 大久保さんの妻、洋子さんは「主人は35年間、まじめにコツコツと働いてきた。(脱サラは)正直、不安がない訳ではないが、本人がやりたいことをやらせてあげたいと思った。子どもたちもそれぞれ独立して働いているので、家族は誰も反対はしなかった」と振り返る。

 店内は12坪ほどで、町家のように細長い空間の奥には、大久保さんが作業する台をオープンカウンターのように設置し、製作の様子を公開している。左右の壁面には販売用の色鮮やかな手ぬぐいや風呂敷などをディスプレーするなど、空間づくりに工夫を施した。

「(手ぬぐいの)猫のデザインなどは、東京のデザイン事務所で仕事をしている息子が作ってくれた。娘は時々店を手伝ってくれるので、家族の協力はとても助かる」と大久保さん。

 場所が眼鏡橋近くということもあり、開店当初から多くの観光客が訪れているという。「開店して数日だが、東京のテレビ局の方が偶然通りかかったといって、丁寧に取材して帰られた。東京や大阪など遠方から来られたという方も多い。本当にうれしい」と洋子さん。

 大久保さんは「目の前で作業が見られるのを非常に喜んでもらっている。こんなに近くで見たことがないという人が多い。そう言われると自分も何だかうれしい」とほほ笑む。

 長崎ではハタは主に贈答用に用いられ、開店・開業や誕生の祝いなどに、相手にちなんだ文字や絵を描き入れて贈ることが多い。舞台の演出用に使うハタの注文も既に受けているという。「お祝い用が主だが、形として残るし、意外と安いと言われて、既にかなりの注文をいただいている」(洋子さん)とも。

 大守屋という屋号の由来について、大久保さんは「大は大久保の大、守は仲がいい友人の名前からもらった。守には世話をするという意味もある。お客さまに対し、そのような店であり続けたい」と意気込みをみせる。

 価格は、長崎凧(ハタ)=小800円~・中2,500円~・大4,000円~、文字入れは1字500円から。営業時間は10時~19時。

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