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長崎原爆資料館ホールで記録映画「東北の新月」上映会

映画の一コマ

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 長崎原爆資料館ホール(長崎市平野町)で7月22日、ドキュメンタリー映画「A New Moon Over Tohoku」(邦題=東北の新月)上映会が開催される。主催は長崎経済新聞

リンダ・オオハマ監督

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 日系カナダ人3世の映画監督「リンダ・オオハマ」さんが手掛けた同作。

 リンダさんは2011年3月11日、バンクーバーの自宅でインターネットから流れる地震と津波の映像を目の当たりにして言葉を失うが、7歳になるリンダさんの孫が「東北の人たちに、ずっとそばにいるよとメッセージを送ろう」と言ったことから行動を起こす。カナダ国内での募金活動を通じて集めた25万ドル(約3,000万円)の義援金を携えて2011年夏に来日。その後、東北各地の学校などでキルト布作りのワークショップなどのボランティア活動を続けた。

 映画監督であることを知った多くの被災者から「自分たちの姿を映画にしてほしい」と頼まれたが、最初は断っていたというリンダさん。ある日、「被災者のありのままの姿を私が記録として残さねば」という強い使命を感じて、宮城県仙台市を拠点に岩手県、福島県の仮設住宅や避難区域を訪問。約2年半にわたって被災者と生活を共にしながら、被災者のありのままの姿や思いを記録した。その後、帰国したリンダさんは編集作業に没頭。通算して5年近い歳月を費やした昨年2月、ようやく映画が完成した。女優・草刈民代さんが日本語ナレーションを務める。

 同作は、カナダ国内での上映や、昨年3月に仙台市で日本初公開された後、全国各地で上映されたほか、バンクーバー国際映画祭、カルガリー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、ローマ独立映画祭から招待された。今年は「2017 ジャパンツアー」として園田裕史市長も出席して開かれた長崎県大村市での上映会(5月21日)を皮切りに、広島市、広島県尾道市、名古屋市、愛知県大府市、新潟県村上市で上映されており、今後も全国各地で上映を予定する。上映時間は98分。

 長崎会場はリンダさんの熱望により長崎原爆資料館ホールが選ばれ、リンダさんは長崎の観客に向けたビデオメッセージをユーチューブで公開した。上映会担当者によると、広島からも参加希望者がいるという。

 「原発から20キロ圏内の誰もいない見捨てられた町を一人で歩いている時に涙があふれてきて、使命を感じた。そこから記録が始まった」とリンダさんは振り返る。「タイトルの新月は『未来が見えない暗闇』の比喩だが、それでも新月はいつか被災地を照らす満月になる。原爆投下後、新月だった長崎も今では満月。映画を通じて希望を感じてほしい」とも。

 13時40分開場、14時上映開始。入場料は、一般=1,000円、高校生・大学生・60歳以上=500円、中学生以下無料。

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