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長崎市民会館で「いちょう並木フェスタ」 カズオ・イシグロさんの魅力に触れる催しも

ポスターとカズオ・イシグロさんのパネル写真を手にする井手さん

ポスターとカズオ・イシグロさんのパネル写真を手にする井手さん

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 「2018ながさき市民会館いちょう並木フェスタ」が11月17日、長崎市民会館(長崎市魚の町)と隣接する魚の町公園で開催される。

展示されるパネルやレコードの一部

 毎年11月に開催されているもので、公園に飲食ブースやフリーマーケットが出店するほか、館内ではさまざまな催しを展開する。長崎市出身の日系イギリス人小説家カズオ・イシグロさんが昨年ノーベル文学賞に選出されたことから、今年は本人や往年の作品にスポットを当てた展示や企画を予定している。

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 イシグロさんは幼少期を長崎で過ごし、1960年に父が英国立海洋研究所の所長から招かれたことがきっかけで渡英し、現在もロンドンに在住している。今年、長崎市名誉市民にも選ばれ、7月には妻のローナさんも同席してロンドンで顕彰式が行われた。

 フェスタでは長崎市から提供された顕彰式の様子を収めた写真がパネル展示される。同館館長の井手達夫さんは「ノーベル賞を受賞した小説家というとどんな人なのか想像しづらい部分もあるかもしれない。顕彰式ではカズオ・イシグロさんの普段見せないようなにこやかな表情や奥さまと仲むつまじくされている様子が収められており、人柄を感じさせるものがある」と話し、「このような展示を通してイシグロさんの魅力に触れる機会になれば」と意気込む。

 イシグロさんは音楽とも縁が深く、13歳のとき初めて購入したボブ・ディランさんのアルバムに文学的な要素を感じ取り、ミュージシャンを目指して100曲以上の作曲を手掛けてデモテープをレコード会社に送ったが、どれも日の目を見ることがなかった時期もある。井手さんは「この経験が後の作品に大きく影響を与えている」と話す。

 「ながさきを見聞きし語る」をテーマに同館で不定期開催している「崎陽雑講」も17時から行う。第1部ではNHKでドラマ化が決定している小説「浮世の画家」など「カズオ・イシグロを読む・知る」をテーマにした講演を開く。

 イシグロさんは青春時代にさまざまなアーティストの影響を受け、後に作詞家としても頭角を現していることから、第2部では井手さんが影響を受けたとされているレコードの中からピックアップし、作品との関わりなど解説を交えた鑑賞会も行う。

 井手さんは「長崎からノーベル賞作家が生まれたことは話題になっているが、その作品に目が向けられる機会がまだまだ少ないと感じる。そのきっかけを発信していく一つのきっかけになれば」と意気込む。

 開催時間は10時~16時。入場無料。雨天決行。問い合わせは長崎市民会館(TEL 095-825-1400)まで。