長崎の街ネタを中心に書きつづったブログ「長崎西方見聞録」が開始から2周年を迎えた。
長崎西方見聞録は黄色いポロシャツを身にまとった「ちゃりんこ記者」の乗松重隆さんが長崎の街ネタなどを紹介するブログ。同様の街ネタブログはたくさんあるが、実際に現場に取材に赴いて書くスタイルを基本にしているブログは珍しい。
「黄色いポロシャツにこんな派手なロゴを描いているので、取材現場ではかなり目立つ。最初は本当に恥ずかしくて取材する勇気が出なくて帰りかけたこともある」と照れながら話す乗松さんは、20年ほど前に長崎の早朝野球チームを対象としたスポーツ月刊誌の記者をしていた。ブログの存在を知ってもらうため、自分自身を目立たせようと今のスタイルを始めた乗松さん。ブログの1回目は2009年1月27日の長崎ランタンフェスティバル。今年で3回目になるという同フェスの取材では面白い出来事があった。
浜町のアーケードで売られていた「いなほ焼き」という回転まんじゅうのような形をした食べ物をブログで紹介した乗松さん。すると、そのブログの情報を基に福岡の民放ラジオ局が取り上げたことをブログの読者から教えてもらったという。「福岡ではいなほ焼きは有名らしく、長崎にもあることを驚いたような感じで取り上げてもらったと聞いている。ところが調べてみると、大村市の人が始めたことがわかった。灯台下暗しとはこのこと」と乗松さんは笑う。そのほか、「時々このブログを代わりに書いてくれる年配の記者さんが『乗松さん。この歌とても面白いよ』と当時ほとんど無名だった曲をブログで取り上げた。すると、その『トイレの神様』という曲はその直後から全国的にヒットしてしまった。あれには私も本当に驚いた」というエピソードも。
ブログに書いた記事は既に1,000本を超えたという。「事件の現場に取材に行ったこともあるが、他の取材陣はスーツ姿ばかりで私だけこの格好。強烈に恥ずかしかった」と振り返りながら今日も「ちゃりんこ」で街ネタを探しに出掛ける。