長崎国際観光コンベンション協会が主体となり立ち上げた「クルージング事業検討委員会」の第2回会合が4月17日、HafH Nagasaki SAI(長崎市古川町)で行われた。
同委員会では、長崎の観光を目的としたクルージングを通してクルージング船のマーケティングを行い、長崎の造船業は世界的にも先進的な溶接などの造船技術を持つことから、同事業を通じて造船業の継承・発展を目指す。3月17日に行われた第1回会合で湊工業(神の島町)の太田勝元社長を世話人、長崎国際観光コンベンション協会の寳珠真一さんを事務局長として正式に委員会を設置した。
4月4日にレストランクルーズ船を運行するルミナスクルーズ(神戸市中央区)を視察したという寳珠さんは「長崎港は遊覧スポットとして複数の世界遺産などがありクルージングに適している。ライトアップなどを仕掛けると同時に、まずは地元が受け入れ体制を整え、まち全体が総力を上げて取り組む動きをつくることが重要」と話す。
会合には同市内の造船業や運輸業、ホテル業などから関係者12人が参加し、宿泊業関係者からは「長崎は二次交通が弱く、クルーズ船を活用することで延泊や波及効果も狙えるのではないか」という意見や、「大型クルーズ船は毎日のように出入りしているが、地元の人は乗る機会がない。市民にも手が届くことで乗ってみたいと思ってもらえるものができれば」との意見が寄せられた。
インターアクトマーケティング(神戸市)の鈴木統夫社長は「単にクルージングをするだけなら事業者単位で実現できる。オール長崎として将来を見据えた事業を実現するためにまずは情報収集を進める必要がある。将来的にはクルーズ船を運行することでノウハウを集め、運用面も含めて売り込んでいくことを目指したい。日本らしい気品や風格を備えた船で観光周遊船の新しい形を長崎から提案していきたい」と意気込む。
次回は5月に会合を行う予定。必要と思われる企業や個人に参加を呼び掛けるという。「事業に興味のある人にも参加を促していきたい。まずは造船業を中心に、こんな船が造れると手を挙げてもらえればうれしいとも。