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日本航空、5月の地域プロモーション活動に「長崎市」 地域の魅力発信

会見の様子(右から川端料理長、溝之上支配人、加藤長崎副市長)

会見の様子(右から川端料理長、溝之上支配人、加藤長崎副市長)

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 日本航空と長崎市は4月24日、同社が行う地域プロモーション活動「新 JAPAN PROJECT」で5月に長崎市を特集することを発表した。

川端料理長の説明を受けながら機内食を試食する加藤副市長

 この取り組みは2011年5月から行っているもので、当時宮崎で発生した口蹄疫(こうていえき)による風評被害により観光産業にも大きな影響が出たことから、地域活性に貢献したいと始めたもの。月単位で行われている活動では、これまでにも「長崎県」として2011年12月に機内誌で長崎の食文化、機内ビデオで平戸、2016年1月にランタンフェスティバルと南島原の歴史を特集したが、長崎市に範囲を絞っての特集は初めての試みとなる。市単位での特集はこれまでにも横浜や北九州、帯広など7カ所で行ったといい、長崎市が8例目。

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 機内誌「SKYWORD」5月号では、日本の近代化を支えた端島(通称:軍艦島)にスポットを当てる。当時は島全体が石炭ラッシュに湧き、最盛期には5300人が東京ドーム約1.5個分の面積の中で暮らし、大正初期に日本初の鉄筋コンクリートアパートが建てられるなど「近未来都市」と呼ばれていた。特集では当時の島の様子を知る人々のインタビューなどを交えながら、「生き続ける遺産、軍艦島」として取り上げる。「世界新三大夜景都市」に認定された夜景や食・観光・歴史なども紹介する。

 訪日外国人客に向けて2017年4月から発行している英語版の機内誌では視点を変え、江戸時代に対外貿易が唯一許されていたことから今なお独自の和洋折衷文化が色濃く残る街並みや食、祭りなどについて取り上げる。2018年に世界遺産登録された大野教会堂についてもスポットを当てる。

 その場所を旅しているような感覚で楽しめるよう、人の目線で撮影された機内ビデオ「ニッポン 歩いて新発見!」では、機内誌でも取り上げた端島のほか、眼鏡橋のたもとにあるパワースポット「ハートストーン」など、「誰でも知ってる観光地・長崎」の意外と知られていない新しい魅力にスポットを当てる。

 東京・羽田から札幌、大阪、福岡、那覇を結ぶ国内線4路線に設定しているファーストクラスの対象便で提供される機内食でも期間中、長崎にスポットを当てた特別メニューを用意する。「平成30年度・現代の名工」を受章したホテルニュー長崎の川端明名誉総料理長が監修を手掛け、一つのお盆の上に和食、中華、洋食が載った「長崎の和華蘭」をテーマに地元の食材をふんだんに使ったものに仕上げているという。

 期間や便によって3種類用意するというメニューは、メインディッシュに日本一のシェアを持つ長崎産マダイの中華ネギ風や西洋料理のローストの手法で仕上げた雲仙しまばら鶏とキノコの詰め物、レムラードソースに五島産のアゴ(トビウオ)を隠し味として加えたボイルビーフを用意する。川端料理長は「機内食とホテルでは提供の仕方が異なるため、ホテルの料理をそのまま出すことができない。初めての経験で戸惑うこともあったが、調理過程や諸条件を工場で打ち合わせを重ねながら、出島を通じて中国の隠元和尚が長崎に伝えた『呉豆腐』や茂木のビワを使ったゼリーなど長崎の食材や料理を取り入れることで長崎らしさを楽しんでもらえるよう工夫を凝らしている」と話す。

 長崎市副市長の加藤邦彦さんは「令和という新しい時代においても観光をはじめとした交流拡大は最も重要な取り組みの一つと考えている。2020年には開港450周年を迎えることから、観光資源には事欠かない魅力あふれる街・長崎をこのプロジェクトを契機にさらに多くの人に伝えたい」と話す。同社九州・山口地区支配人溝之上正充さんは「5月大型連休で旅行など利用客が増える時期。より多くの人に見てもらえるチャンスになるのではないか」と言う。

 同社の国内線は月に280万人、国際線は70万人が利用するといい、「機内誌を見て実際に訪れた」「各地の機内食を楽しみにしている」という利用客からの声が上がっていることから溝之上支配人は「取り組みを通して交流人口や物流を増やすことで地域を活性化させたい」と意気込む。

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