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長崎・万屋町の写真店「カメラのフォーカス」閉店へ 半世紀の歴史に幕

店頭に立つ店主の原口さんとスタッフの前田さん

店頭に立つ店主の原口さんとスタッフの前田さん

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 長崎のベルナード観光通り商店街にある写真専門店「カメラのフォーカス」(長崎市万屋町)が5月中旬で閉店する。 

長崎の猫などをモチーフにしたオリジナルグッズ

 現店主である原口志津子さんの夫の実家が写真店を営んでいたことから、20代半ばで独立して自分たちの店を持つかたちで1969(昭和44)年7月にオープンした同店。原口さんは「今ではカメラ店や写真屋は少なくなってしまったが、当時は多くの店が軒を連ねていた」と振り返る。

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 当時のフィルムカメラを大切に使うユーザーや使い捨てカメラを愛用するユーザーも多いことから、店頭ではフィルムカメラやフィルムなども販売しているが、量販店やネット販売の台頭、カメラのデジタル化、スマホで撮影する人が増えたことから印画紙プリントに特化していた。10年ほど前からは写真の楽しさを伝えようと、長崎市内のフォトスポットを中心に2~3時間程度街歩きしながら撮影を楽しむワークショップの開催にも力を入れたことがきっかけとなり、客同士で写真を囲みながら語り合う場にもなっていたという。

 4月2日にSNSを通じて発表した閉店の知らせには、45年ほど前に初めての月賦払いでカメラを購入したという思い出や写真展で世話になった礼などのほか、眼鏡橋や崇福寺などの観光地にも近いことから、旅先でカメラのトラブルに見舞われた際に立ち寄ったエピソードなど閉店を惜しむメッセージが数多く寄せられた。「これからどこでプリントしたらいいの?」といった戸惑いの声も。

 原口さんは「プリント数が減少していく中で苦渋の決断だった。志半ばでの閉店は申し訳ない気持ちでいっぱいだが、家族の記録など大切な写真はプリントすることを続けてもらえればうれしい」と話す。

 4月20日~5月6日は「わたしの長崎」をテーマにした写真展「長崎パチリ写真展 vol.4」を開催中。常連客らが思い思いに切り取った長崎への思いを詰め込んだ写真が店内を埋め尽くしている。スタッフの前田さんは「旅の途中の方にも、長崎の空気を感じてもらえれば」と話す。

 閉店は5月12日を予定しており、セールも行っている。同店で販売している「長崎まちねこ」シリーズの製造元に依頼してオリジナルで作ったというカメラストラップやポーチなどもセールの対象になっている。

 営業時間は10時~19時。金曜定休。

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