旬を迎えるハモとワタリガニ料理を期間限定で楽しめるイベント「戸石はも・かに祭り」が7月20日から8月4日にかけて、戸石町とその周辺にある東長崎地区の飲食店7店舗で開催される。
長崎は全国でも有数のハモの漁獲量を誇るものの、地元では消費されず市場に出荷されたハモは京都など関西を中心に流通していることから、地元での消費拡大につなげようと長崎市たちばな漁業協同組合が毎年開催。今年で18回目を迎える。港に隣接する生産者市場「戸石フレッシュ朝市」ではも料理を提供する「はも祭」として始まった同イベントだが、近隣の飲食店を巻き込んで創意工夫した料理を提供するイベントに徐々に変化したといい、同時期に旬を迎えるワタリガニやここ数年取り扱う事業者が増え特産品として認知され始めているイワガキも同時にPRするようになり、現在のかたちになったという。
同漁協の松山和昭さんは「ハモは京都の夏の味として定着しているものの、生産地である長崎ではほとんど食べられることがなかった。食材として認知すらされていなかったので、関西圏に出荷できない大ぶりのものが地元でかまぼこの原料として使われているだけだった」と話し、「イベントを行うことで徐々に認知されるようになり、少しずつ食文化として根付いていることを実感している」と言う。「産地だからこそ、新鮮で最高の品質の状態で提供できる。旬の味わいを楽しみ、食文化を知ってもらうきっかけになれば」と意気込む。
ハモは全身に硬い小骨があることから、小骨を細かく切ることで食べやすくする「骨切り」と呼ばれる調理を行う必要があるため取り扱いには専門知識を必要とする。天然の食材のため天候などによって漁獲量が左右され、提供される「戸石はも・かに御膳」は店によって予約が必要となる。
このほか、戸石フレッシュ朝市では家庭で手軽に旬の味わいが楽しめるはも加工品なども販売される。