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長崎初 出島で「国際平和デー」イベント、PR動画配信も

ギリーさんの祖父がイギリスに発った長崎の港をバックにイベントをPRする柿田さん

ギリーさんの祖父がイギリスに発った長崎の港をバックにイベントをPRする柿田さん

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 「国際平和デー」にちなんだイベント「PEACE DAY NAGASAKI」が9月21日、ATTIC Coffee Second(出島町)で開催される。主催はPEACE DAY NAGASAKI。

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 国際平和デー(International day of peace 通称ピースデー)は、国際連合が1981年に9月の第3火曜と定めたもの。世界にこの日を広めている団体Peace One Dayの創設者でイギリス人のジェレミー・ギリーさんは、祖父が太平洋戦争中に旧日本軍によって捕虜として捕えられ、終戦後に21人の戦友と共に帰国する際に長崎に投下された原子爆弾による惨状を目の当たりにした。

 幼い頃から祖父に戦争体験や被爆の惨状を聞いて育ったギリーさんは、ピースデーの存在を知り、「一年に一度でもいいから、戦争や紛争、あらゆる暴力を止めたい」と認知が進まない状況を変えようと平和活動を続けたことが、国際平和デー制定につながった。現在では10億人規模の活動に広がり、ニューヨーク国連本部では「国際平和の鐘」を鳴らすセレモニーが行われ、世界でさまざまな活動が行われる。

 同イベントを主催するPEACE DAY NAGASAKIの柿田紀子さんは日本でピースデーの活動を広めるイベントなどを行っているPEACE DAY JAPAN共同代表・発起人の関根健次さんとの出会いがきっかけでこの活動に興味を持ったという。柿田さんは「関根さんに出会って初めてピースデーの存在を知った。ピースデーの制定に長崎の原爆や日本が大きく関わっているにもかかわらず認知されていない現状を知ったことで長崎からできることを模索したいという思いで『ピースデーナガサキ』の立ち上げを決意した」と話す。

 「日本でも『PEACE DAY JAPAN』が設立されたことでギリーさんが制作した映画の配信が行われるなど、少しづつ活動が広がっている」と話す柿田さん。宮崎県出身で結婚を機に長崎へ移り住んだことから「長崎原爆の日である8月9日が登校日になっていることや、平和公園に国内外から多くの観光客が訪れていることに驚いたと同時に長崎に住んだことで『平和』について触れる機会が多いことを感じた」と話す。

 ギリーさんが「平和は誰でも作れる」と活動を行っていることに共感し、「いじめや暴力などは身近な所で起きている。まずはそこから無くしていくことで平和が広がるのではないか」と話す柿田さんは、自身も幼少期にいじめにあい、複雑な家庭環境で育ってきたことから「小さくてもまずはやることが大事だと感じた。ピースデーのことを知るほど共感でき、この活動が認知されていくことで平和な日常が一日でも増えていくきっかけになってもらえれば」と言い、「この活動が認知されることで私のようなつらい思いをする人が一人でもいなくなることにつながればうれしい」と意気込む。

 同イベントでは多方面のジャンルから有志が登壇し、参加者全員でのディスカッションを予定している。昨年ギリーさんが来崎した際に被爆3世として対面したまつながるいこさんにも、幕張で行われているピースデーのイベント会場からライブ配信をつなげて参加してもらう。

 イベントに連動するかたちでこの活動に賛同したart..One(花丘町)の協力の下、9月20日・21日に市内2カ所に設置されているビジョンでピースデーを伝える動画が配信されるほか、ピースデーナガサキホームページやSNSでもピースデー関連の動画の配信を予定する。

 柿田さんは「ジェレミーさんが1人で始めた活動が世界中に広まったように、誰か1人でも行動を起こすことで平和を願う最後の被爆都市としてもピースデーを通して『平和』を世界へ届けられればうれしい」と話し、「私が関根さんとの出会いがきっかけでピースデーを広げていこうと思ったように、このイベントや動画を通してピースデーを知ってもらいたい。この日が制定されたきっかけにもなっている『長崎』から平和を考え、参加者一人一人が『平和な一日』を過ごしてもらえたら。イベントに参加できない方にはSNSなどを通してハッシュタグ#peacedayを付け、皆さんが思う『身近な平和』を投稿し参加してもらえればうれしい」とも。

 開催時間は13時30分~16時。13時開場。参加費は2,000円(学生は500円)でドリンク・デザート付。

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