長崎市立三川中学校で2月から3月にかけ、プロダンサー片岡遥大さんによるダンスの特別指導が行われている。
長崎市出身の片岡さんは小学校3年生の時に目にしたダンス教室の案内に興味を持ったことがきっかけでダンスを始め、高校1年生と3年生の時にアメリカに短期留学してダンス指導を受ける。高校卒業後には3カ月にわたって渡米し、ダンスの腕をさらに磨いた後、フリーダンサーとして東京を拠点に活動を行っていた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年3月に帰郷して地元の高校生や大学生にダンスレッスンを行っているほか、長崎市を拠点に活動するダンスとファッションとカメラを組み合わせたクリエーターのチーム「Kdia(カディア)」を結成。令和3年長崎市成人式の実行委員の動画制作班のメンバーとして新成人に向けたメッセージボードプロジェクトや成人式オープニングビデオの制作に携わるなど活動の幅を広げている。
ダンスを教えることになったのは片岡さんが母校である三川中学校を訪れ、保健体育を教える恩師の松田謙一さんから体育の授業の一環として行われているダンスの指導について相談を受けたことがきっかけ。「表現力を身に付けるという趣旨で文部科学省が定める2012年からの学習指導要領でダンスの授業が必須となった。ダンスの経験がなく、手探りで指導を行っていた部分もある」と松田さん。片岡さんに「長崎で活動しているのであれば協力してもらえないか」と呼び掛け、母校での指導が実現した。
2月から3月にかけ12回行われるレッスンでは学年ごとにいくつかのグループに分かれて振り付けを行い、最終日となる今月19日の発表を目指す。部活のフォームなどなじみのある動きを取り入れるなど片岡さんのアドバイスを受けて生徒らが工夫を凝らしながら一生懸命練習に取り組む姿が見られた。練習を終えた生徒からは「プロの先生に習うのは初めてなので、難しかったけど楽しかった」という感想や「分からないところも的確にアドバイスしてくれて、勉強になった」という声も。
「プロのダンスに触れ、いろんな動きを教えてもらう良いチャンスだと思いオファーした」と話す松田さん。片岡さんは「中学生という不安定な時期に何でもいいから夢中になれるものを見つけてほしい。行動していく過程で、周りから何か言われるかもしれないが、挑戦することをやめないでほしい」と笑顔を見せる。