「県美協展」が6月16日、長崎県美術館(出島町)県民ギャラリーで始まる。主催は長崎県美術協会。
地域に根ざした総合美術展覧会として毎年開催し今年で52回目を迎える同展。昨年はコロナ禍を受け初の開催中止となった。
県内では今年4月下旬ごろから新型コロナウイルスの感染が急激に拡大。県では県下全域の流行段階を初となる「ステージ5」に引き上げ、5月13日には県内医療機関の病床使用率が100%に近づいているとして医療危機事態宣言を発出した。
長崎県美術協会の木下伸弘会長は「今年も中止を検討していたが、例年行っていた打ち合わせを書面でやり取りするなど社会状況に配慮して準備を進め、開催することにした」と話す。
展覧会には、生活の楽しみとして仕事や家事の傍ら制作活動を行う作家や、国内外で活躍する作家など幅広い年齢層の会員が作品を出展する。「日本画」「洋画」「彫刻」「工芸」「書」「写真」「デザイン」の7部門で計422点の作品を並べる。
木下会長は「このような状況の中でどれほど参加してもらえるか不安があった。閉塞(へいそく)感漂う時代だからこそ展覧会を通じて心の安らぎの必要性が求められていることがこれだけ多くの出品につながったのでは」と話す。
6月16日~20日は「日本画」「洋画」「写真」の3部門を展示。作品入れ替えを挟んで6月23日~27日は「彫刻」「工芸」「書」「デザイン」の4部門を展示する。
開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。6月30日~7月4日は佐世保市博物館島瀬美術センター(佐世保市島瀬町)でも展示を行う。入場無料。