大中尾棚田(長崎市神浦向町)で現在、ヒマワリの花が満開の見頃を迎えている。
農林水産省が1999(平成11)年に認定した「日本の棚田100選」にも選ばれている同地区。日本の棚田100選は「棚田は先人が山や谷を切り開き、石垣を積み上げ傾斜地に作られた水田で、美しい景観を保つ日本の原風景である」ことから棚田の保全や、保全のための整備活動を推進し、農業農村に対する理解を深めるため設けた制度。
開墾から270年ほどたつという大中尾棚田は、産業振興や移住開拓などに奉仕したフランス人宣教師ド・ロ神父に関する多くの史跡が残る外海・神浦川沿いにある。約8ヘクタールもの面積に石垣と約450面の水田が段々に広がり、日本の原風景を感じさせる田園風景が広がる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止となったが、毎年10月には「大中尾棚田火祭り」が開催されるほか、大中尾棚田同保全組合による「棚田オーナー制度」の取り組みも行われている。
ヒマワリは休耕田を活用して棚田の景観を楽しんでもらおうと同組合が5月、種をまいた。毎年秋にコスモスを楽しめるようにしていたが、今年は初めての試みとしてヒマワリも植えることにしたという。
梅雨明けしたばかりの7月13日は、爽やかに晴れた夏空の下水田の区画一面にヒマワリが咲き誇り、訪れる人たちの目を楽しませていた。同組合によると、ヒマワリの見頃はこれから1週間ほど続く見込みという。
駐車場は10台程度。