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長崎・出島町にギャラリー併設醸造所「でじま芳扇堂」 CFで協力呼びかけ

「でじま芳扇堂」の立ち上げを目指す日向さん夫婦

「でじま芳扇堂」の立ち上げを目指す日向さん夫婦

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 「でじま芳扇堂」が現在、2023年春に長崎市出島町でギャラリーを併設した都市型醸造所の立ち上げに向けて準備を進めている。

仕込みを行う勇人さん

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 代表の日向勇人さんは清酒「鍋島」を手がける富久千代酒造(佐賀県鹿島市)で4期にわたって蔵人として従事。同酒造のオーベルジュ立ち上げに携わった妻・咲保さんと結婚し、将来像を模索していたところ、2020年に東京・浅草初のどぶろく醸造所として開所した木花之醸造所を知った。

 同醸造所は5坪ほどの小規模醸造スペースで日本酒造りの技術を生かしたどぶろくなどの酒を醸し、できたての酒を併設の飲食店でつまみとともに提供する。酒造りを志す若者のステップアップの場として人材を募っていたことから、勇人さんは昨年6月から、2代目醸造長として酒造りを行っている。

 長崎出身の咲保さんの祖父・銭上秀雄さんは倉庫業を営む傍ら、1985(昭和60)年に趣味が高じて出島町に骨董(こっとう)店を開業。秀雄さんが亡くなった後、店を畳み、テナントとして酒販店に貸していたが店主が高齢となっていることから閉店が決まっていた。

 日向さん夫婦は「かつて唯一西洋社会に開かれた国際交流の拠点として、日本がさまざまな海外文化や技術を取り入れた玄関口であるのと同時に、日本の優れた文化や芸術、美術品が世界へ羽ばたいて行った出島に日本人が大切にしてきた食文化を次世代へ引き継いでいくための新たな拠点をつくりたい」と、酒販店跡にまちなか醸造所ギャラリー「でじま芳扇堂」の立ち上げを決めた。

 店名は「扇のまちから芳しい日本文化の風を次世代へ」という理念の下、「日本の伝統的な酒造り技法に基づく醸造・発酵の技を柱として、四季折々の旬の味覚、色あせることない工芸の美など、日本の食文化である酒・食・器を『三美一体』で発信したい」という思いを込める。

 「どぶろくは日本酒の原型で原料の米まで食感として味わえる酒。米以外の原料も使うことができ、地元の野菜や果物を使うことで長崎の魅力を、酒を通じて発信したい」と意気込む日向さん。

 でじま芳扇堂は9月20日から、開業に向けてクラウドファンディングで協力を呼びかけている。10日間で150人ほどから目標額200万円を達成し、現在は支援者300人を目指している。10月30日まで。

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