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竹でアフリカの課題解決目指す取り組み 長大生がCFで支援呼びかけ

支援を呼びかける柳原さん

支援を呼びかける柳原さん

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 長崎大学大学院修士2年の柳原沙紀さんと同大多文化社会学部4年の本多なおさんが現在、東アフリカの雇用問題解決を目指した取り組みへの支援をクラウドファンディングで呼びかけている。

共同でプロジェクトを立ち上げた柳原さん(右)と本多さん

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 貧困地域の課題解決に携わりたいと考えていた柳原さんは昨年、「教育で世界は変えられる」という思いを胸に文科省のトビタテ留学JAPAN日本代表生としてケニアに向かった。柳原さんは「誰一人取り残さない教育を提供することで、ケニアでの教育に何かしらイノベーションを起こしたい」と考えていたが、「現地の国際NPOでの活動や現地での生活を通して見えてきたケニアに住む人々の暮らしを目の当たりにして現地の雇用の少なさにがく然とした」と振り返る。

 「教育だけではなく雇用を増やすことで若者の希望につながる」と感じた柳原さん。帰国後の事後研修でウガンダに留学していた本多さんと出会った。本多さんは竹の研究に携わっており、ウガンダ政府が2019年に国家プロジェクトとして竹産業の発展を目指す戦略を発表していたことからヒアリング調査を行っていた。

 同国では竹産業の発展を掲げる一方、民芸品の材料として使われることがほとんどだと知った柳原さん。日本では食文化・生活環境の中で竹と共に暮らしてきた歴史があることから、日本の技術を活用して課題解決ができないかと模索していたところ、福岡県糸島市で竹を製粉し、パンや菓子の原料として活用を目指す企業を見つけた。柳原さんがパン好き、本多さんがスイーツ好きだったこともあり、「竹パン」「竹スイーツ」を開発して現地に工房を設立することで成長の早い竹の栽培で森林保全や気候変動など環境問題の解決につなげると同時に、現地で竹を食べる知識やノウハウを共有することで食糧問題や雇用問題の解決につなげるという構想が固まった。

 柳原さんと本多さんが共同代表を務める一般社団法人Greeendy(グリディ)を2月に設立。3つの「e」には「Environmental(環境)」「Empowerment(課題解決)」「Enthusiasm(情熱)」の意味を込めた。

 長崎市内のパン職人の協力も得て、現在レシピ開発を進めているという2人。地元九州の技術や長崎のアイデアが世界で活躍しようとしていることや、長崎の人にもアフリカをもっと身近に感じてほしいという思いからアフリカ料理や竹パン作りを楽しむイベントも企画。3月17日に長崎市江戸町で「食を通じてアフリカを身近に感じてもらう」イベントを、18日に浦上駅前ふれあいセンターで親子で楽しめる竹のパウダーを使ったパン作りワークショップを企画している。

 クラウドファンディングは4月17日まで。イベントはホームページなどで受け付ける。

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