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長崎県立長崎図書館で「アンネ・フランク展」 子どもや学生主体で企画

来場を呼びかける学生ら

来場を呼びかける学生ら

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 パネル展示会「アンネ・フランク展~希望の花~ここから始まる、長崎のミライ」が3月17日~19日の3日間、長崎県立長崎図書館郷土資料センター(長崎市立山1)内にあるミライ on サテライトで開催される。

山西さんの講義の様子

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 時津町浦郷で学習特化型フリースクールを運営する「conpeito」が主催する同展。代表理事の牛津理美さんは自身の祖父母も被爆体験者で、「平和教育に力を入れている長崎では第二次世界大戦と原爆投下が一つのことと扱われがち」と感じていたところ、ドイツ生まれのユダヤ人少女アンネ・フランクが残した「アンネの日記」の企画展を開く機会を得た。

 同施設や長崎市矢上町と長与町に展開している学習塾「アトリエCOR」では何らかのテーマや教科科目の学習と外国語学習を組み合わせた内容言語統合型学習にも力を入れている。同施設や塾で学ぶ子どもたちと同世代のアンネが残した日記が現在でも世界中で語り継がれていることから、「子どもたちが主体となって展示物などを作り上げることで、被爆地・長崎という知名度だけでなく、世界つながる未来をつくりたい」とアンネ・フランクについて学ぶ場を用意した。

 長崎に暮らす外国人の視点や意見も取り入れたいと学生地域連携活動支援事業を行う団体を通じて呼びかけて勉強会も企画。2月23日には留学生ボランティアなどを含む25人ほどが参加して、展示物の制作などを行った。

 小学生から大学生までの7人が時津町にあるフリースクールに集まった3月12日の勉強会では長崎出身の被爆3世で、元高校生平和大使として活躍し、「世界に平和の花を咲かせたい」と平和活動に取り組む山西咲和さんが講義を行った。

山西さんは子どもたちに自身の活動について紹介したほか、「広島長崎は平和の大切さを伝える場所として世界中に知られている場所。大学生の立場から『私たちだからできることがある』という思いで活動を続けている」と説明。平和活動においては「自分の正義だけを振りかざさないことを心がけている」などアドバイスし、展示会に向けて取り組む子どもたちにエールを送った。講義後はアンネ・フランクが生きた当時のヨーロッパのことなどを学ぶ時間も設けた。

 勉強会に参加した日見小学校5年の川﨑理世君は昨年夏、学校の平和学習で原爆について学び、爆心地中心に残された当時の地層について全校に発表。牛津さんは「展示会の準備にも意欲的に取り組んでいる」と笑顔を見せる。

 展示会ではアンネ・フランクの生涯や当時の時代背景などを英語でまとめた説明や感想などのパネルを展示。展示会の趣旨に賛同した駐日オランダ王国大使館からのビデオメッセージなども公開する。17日は言語と歴史を絡めたワークショップや留学生らも交えたディベートを企画。18日は子どもたちが受付などにも参加するほか、タイルアートのワークショップを行う。19日はオランダ大使館の仕事を紹介するワークショップや言葉の使い方や学習法についてのワークショップなども行う。

 開催時間は10時~16時。

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