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障がい者学習・就労支援手がける脇葵依さん、スピーチコンテスト全国大会で優勝

表彰式での集合写真(中央が脇さん)

表彰式での集合写真(中央が脇さん)

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 ホテルニュー長崎(長崎市大黒町)で5月27日、「日本BPW連合会 2023 長崎大会・総会」が開催され、ヤングスピーチコンテスト全国大会で障がい者学習・就労支援を手がける脇葵依さんが最優秀賞に選ばれた。

スピーチを披露する脇さん

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 日本BPW連合会は世界の働く女性の地位向上を目指して世界100カ国余りの国と地域が参加するNGO「国際BPW」に加盟する民間組織。全国の加盟クラブを5ブロックに分け、持ち回りで総会を開いている。

 ヤングスピーチコンテストは次世代を担う若い女性たちに向けて世界的視野を含めサポートする活動の一環として、「女性が社会的地位を獲得していくにはいかに自分の考えをアピールできるかが鍵」という考え方から、20年前から開催している。脇さんは昨年12月に長崎で行われた西日本ブロック大会で最優秀賞に輝き、全国大会への出場を決めていた。

 全国大会には脇さんのほか、工藤遥さん(北海道・東北ブロック)、石澤瑠璃子さん(関東・山梨ブロック)、浅井真生(中部ブロック)、高柳沙月さん(近畿ブロック)の5人が出場。「私と仕事・職業」をテーマにスピーチを行った。

 「葵依は生まれながらに病気をする子だったけど、誰よりも運と人に恵まれている」とオーストラリアで国際保育士の資格取得中に父からかけられた言葉を紹介した脇さん。持病を乗り越え、訪れたカンボジアで目にした早すぎる結婚で教育の機会を奪われた子どたちを知ったことがきっかけで、「子どもたちを守るためには教育と医療の両方が重要」と感じたことが現在の活動につながっていると振り返った。その後、オーストラリアで国際保育士、日本で作業療法士の資格を取得している。

 2021年に発達支援特化型ダイバーシティ学習プロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで支援を募り、同年8月に本格的に運用を始めた脇さん。現在では北海道から鹿児島の離島まで80人の子どもたちに授業を行う。昨年からは次のステップとして、障がい者雇用を目指す企業とのマッチングサービス「ダイバーシティラボ」の立ち上げを目指し、今年3月、長崎発起業支援のピッチコンテストで優勝。一時は事業を断念も覚悟するできごともあったが、「医療従事者として、新米経営者として環境に左右されず、やりたいことが実現できる世界を実現したい」と乗り越えた。脇さんは5月に「O-lys(オーリス)」(長崎市かき道)を設立し法人化。就労支援サービスの本格始動に向け準備を進めている。

 スピーチの最後に手話で「まだ見ぬ未来。私はジェンダーの平等、ハンディキャップを超えて長崎から世界へ輝く虹をかけていきます」と締めくくった脇さん。「全ての人が、自分の軸を持って生涯学び、生涯働き続け、『人生の主人公として笑顔で輝き合う世界』を目指していきたい」と笑顔を見せる。

 日本BPW連合会によると、来年から同大会は「ヤング・プレゼンテーション」として35歳以下で男女を問わず夢をかなえたい人を応援していくプロジェクトに形を変えるという。

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