「SDGs未来キャンプ in 長崎」が7月15日・16日、長崎県庁と野母崎一帯で開催された。
長崎市野母崎で海岸清掃活動を行う長崎の市民団体「team長崎シー・クリーン」と熊本県八代市を中心に球磨川や八代海の環境活動を行う「エコユースやつしろ」が行う同イベント。SDGsの中でも気候変動や環境問題に焦点を当て、青少年に重要性や取り組み方を伝えることを目的に開いた。
15日は「SDGs未来会議」と題し、熊本から高校生25人と長崎から中高生11人が参加して、長崎県庁で活動事例などを紹介した。第1部では堀川咲希子さんと宮崎幸汰さんがオンラインで登壇。堀川さんは県立長崎東高校の「総合的な探究の時間」の一環で海洋ごみについて考えるチーム「プラスチッくじら」を結成して活動し、現在は山梨県の大学に在学している。発表では活動で大切にしてきたことや活動の経験を生かして環境教育を継続的に行うための取り組みについて紹介。一般社団法人「maiPLA」を設立し、五島で活動を行う宮崎さんは、五島の漂着ごみ問題に取り組んでいる。宮崎さんは五島など古くから国際的に交流のあった場所は海外から漂着するごみが多いことに着目し、研究していることを紹介した。team長崎シー・クリーンの出水琉さん、エコ・ユースやつしろの上村蒼月さんと下松谷陸さんも、取り組んでいる活動について紹介。県立諫早高校(諫早市)で2020年に結成した「Fridays for future Nagasaki」の取り組みの紹介もあった。
team長崎シー・クリーンが野母崎中学校3年の内野菜央さんの原画を元に漫画家の信吉さんがブラッシュアップして仕上げた「SDGs from NOMOZAKI Tシャツ」もお披露目。信吉さんは「デザインを考えるところから一緒に作り上げ、いくつかの案の中から軍艦島を海の生き物たちが囲い、海を守る様子をイメージしたデザインに決まった」と経緯を説明。Tシャツの売り上げから必要経費を差し引いた利益は海を守る活動に充てられる。
第2部では、「問題」「アクション」「きっかけ」をテーマに環境省九州地方環境事務所の大嶋恭子さんら4人が発表。大嶋さんは課題が増え続ける中で地域の資源や特徴を生かして自立した地域をつくることがSDGsの目指す持続可能な地域であることを説明。環境の視点からSDGsに取り組むことを伝えた。
第3部では長崎東高校教諭でteam長崎シー・クリーンメンバーの樫本英人さんがコーディネーターとなり、環境ワークショップを行った。
参加者は日吉自然の家(飯香浦町)に宿泊し、ワークショップに参加するなどして親睦を図った。
翌16日は「SDGsフィールドワーク」として、野々串港周辺でグループごとに海岸清掃を通した環境教育や磯の生き物ウオッチングのほか、軍艦島周遊クルーズと上陸ツアーに参加。長崎恐竜博物館と軍艦島資料館も訪れた。昼食は全員でバーベキューを楽しみ、地元漁師から振る舞われたイカやイサキ、カツオなど新鮮な海の幸に舌鼓を打った。
信吉さんも子どもたちと野母崎を訪れ、Tシャツの原画を描いた内野さんと対面を果たした。