漫画作品「ちびまる子ちゃん」などの作者でエッセイストや脚本家などとしても活躍したさくらももこさんに焦点を当てた企画展が1月19日、長崎県美術館(長崎市出島町)で始まった。
さくらももこさんは1965(昭和40)年静岡県清水市(現・静岡市清水区)生まれ。1983(昭和58)年に「りぼん」(集英社)に漫画を初投稿。翌年、「教えてやるんだありがたく思え」(「りぼんオリジナル冬の号」・集英社)でデビュー。さくらさんが上京した1986(昭和61)年、「りぼん8月号」から「ちびまる子ちゃん」の連載がスタート。自身をモデルにした小学3年の主人公・まる子が家族やクラスメイトと静岡・清水の小さな町を舞台に独特のユーモアで描く懐かしい昭和の日常はテレビアニメや映画にも進出する国民的漫画へと成長した。
「文章を書くことはなぜか苦にならない」というさくらさん。高校3年のとき書いた作文が「平成の清少納言」と称されことからエッセー漫画を描くことを思いつき、自身の半生を書いた「もものかんづめ」(集英社・1991年)でエッセイストとしてもデビューしている。
企画展ではさくらさんの生い立ちやさくらさんとちびまる子ちゃん、エッセイストとしてのさくらももこなど6つのテーマに沿って展示。往年の原画や掲載作品とともに仕事に子育てにと多忙を極めながらも息子や清水のこと、民芸のことなどさくらさんが大切にした日々の暮らしについても触れる。さくらさんが「ナンセンス」に本気で取り組んだ異色の作品「神のちから」やふとした落書きから生まれ絵本を経て漫画やアニメ作品にもなった「どこまでもシュールでナンセンス」なキャラクター「コジコジ」にもフォーカスする。グッズコーナーでは、作品の一部を切り取ったTシャツなど限定グッズを含む多くの商品を販売する。
同館カフェでは企画展に合わせた限定メニューを提供。長崎県産のイチゴを使ったイチゴモンブランやイチゴアイス、イチゴムースなどを組み合わせた「まるちゃんの苺づくしパフェ」(1600円)と「コジコジの生クリーム・オ・レ」(770円)を用意。ドリンクはテイクアウトにも対応する。
開館時間は10時~20時。観覧料は、大人=1,200円、大学生・70歳以上=1,000円、高校生=800円、中学生以下無料。3月10日まで(1月22日、2月13日・26日は休館)。