長崎市内各所で現在、タイ山岳民族の文化と生活、フェアトレードの意識を伝えるイベント「チャオカオウィーク」が開催されている。
5月22日には長崎県美術館(長崎市出島)で4つの民族の衣装を現代風にアレンジしたファッションショーが行われた。
ショーは、リス族(東チベット起源)、ヤオ族、モン族(以上、中国起源)、カレン族(ミャンマー東部)の4民族の衣装を現代風にアレンジしたものと伝統衣装を子どもから若者、年配の男女20人のモデルが着用。eje(エヘ)さんのギターと声、亀島良泉さんのガムランの幻想的な民族音楽が館内に静かに響く中、モデルたちは同館2階のカフェ前をゆっくりと歩いた後、ガラス張りのエレベーターで1階へ移動。エントランスに設置した磁器製の明かりの回りを通る際には、満員の観客が食い入るように見つめていた。
東チベットを起源とするリス族は、襟や袖にカラフルな布を幾重にも縫い合わせた衣装が特徴。ヤオ族はクロスステッチによる刺しゅうが得意で、緻密で高価な刺しゅうの製作には1年も時間を費やすこともあるという。カレン族は、原始織りという自らの腰にひもをかけ体を使って織る手法の機織りを得意とする。未婚女性は純白に赤いラインのワンピースを、既婚女性はカラフルなツーピースを身に着ける。モン族は色鮮やかな刺しゅうが特徴。刺しゅうは母から子へと受け継がれるという。
ファッションデザインはデザイナーの平田慎二さん、モデルは長崎県立大学シーボルト校と活水女子大学の学生を中心としたボランティア、ヘアメークは長崎市内の美容室4店(FRACTAL DESIGN、Little Hearts、Figaro、TORIKO)が、それぞれ担当した。
イベントを主宰する高野繭子さんは「フェアトレードの意義に共感する長崎のいろいろな分野の人が、たくさん集まった。イベントは28日まで続くので気軽に遊びに来てフェアトレードを身近に感じてほしい」と呼びかける。
チャオカオウィークは今月28日まで。期間中、長崎シビックホール(常磐町)でタイ山岳民族の文化・生活・伝統衣装などの展示を行うほか、28日は同ホールで「ワークショップ民族布と遊ぶ」を開く。同日14時から、活水女子大学(長崎市東山手)で講演会「山岳民族の現状とエシカルファッション」も予定。全て無料。