長崎市民の知恵をまちづくりに反映させることを目的にした「歩いて楽しいまちづくり座談会」が10月23日、長崎市民会館(長崎市魚の町)内の長崎市男女共同参画推進センター・アマランスで開催された。
座談会は長崎市のまちづくり推進室が窓口となってシリーズで開催され、今回で3回目。今回は、「安全で安心そして憩いがあるまち」という全体テーマで市民が自分たちの視点から討論し、具体的な提言にまとめるもの。大学生から主婦、公務員、サラリーマン、会社経営者など幅広く、年齢もさまざまな男女約50人が参加した。全体テーマを細分化したテーマで8つの班に分かれ、それぞれ興味あるテーマの班に参加してグループ討論が始まった。
「わかりやすい案内があるまち」というテーマの班では、長崎には「女の都(めのと)」「滑石(なめし)」「風頭(かざがしら)」「小江原(こえばる)」など難解な地名が点在し、これを分かりやすく表記する工夫の必要性を挙げる意見や、高低差が激しい地形に配慮して平面の地図に階段の段数を表記するような細かい情報があるミニマップを作ってはどうかなどの意見が次々に出された。
参加者の一人、末次将士さん(23)は「自分は富山の出身だが長崎の大学で学んだことをきっかけに長崎が好きになり、長崎の会社に就職した。今回の座談会ではこうなったらいいな、楽しいなということはいろいろ思っていたので、こうして意見交換することで自分も知らない発見があり、非常にためになる」と話す。
コメンテーターを務めた長崎建築士会支部長の鉄川進さんは「地名の由来などをちゃんと知るということは大切なこと。ある班で地名のネット辞典の話が出たがぜひ参加してみたい」と話し、同じくコメンテーターの立教大学教授の萩原なつ子さんは「迷う楽しさも必要では。自分は地図を持たない主義。地名の面白さでは滋賀の『浮気(ふけ)』などもかなり面白い」と持論を紹介した。
討論後は大きな模造紙にそれぞれの班の意見をまとめて互いに発表した。「まちを彩る緑や花があるまち」について発表した桜木祐宏さんは「街並みはみんなの財産。個人ではいかんともしがたいこともあり、規制が必ずしも悪いとは限らない。街をつくるのは子育てと同じ。時間をかけてゆっくりと一緒に成長することが必要だと思う」と話した。
次回開催は11月27日を予定。