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長崎都市遺産研究会が「DOCOMOMOさるく」-日本近代建築遺産を巡る

昨年11月の「公会堂さるく&トーク」の様子

昨年11月の「公会堂さるく&トーク」の様子

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 長崎都市遺産研究会(長崎市入船町)は2月16日、日本の近代建築遺産164選に選ばれている2カ所を含む建築遺産を巡る街歩きイベント「DOCOMOMOさるく&トーク」を行う。

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 DOCOMOMOは20世紀のモダン・ムーブメントに関わる建築遺産などを研究する国際的な研究組織。日本支部は次代への建築遺産として164カ所の建築物を選定しており、長崎県内では「長崎市公会堂」(1962年建築)、「日本二十六聖人記念館」(同1962年)、「親和銀行本店」(同1966年・1969年)、「佐世保無線電信所(針尾送信所)」(同1922年)の4カ所が選定されている。

 長崎都市遺産研究会は公会堂の存続が危ぶまれる中、その建築物としての意義を広く知らせる活動を行うために建築史家で長崎総合科学大学教授の林一馬さんを代表として、主に建築家らを中心メンバーとして発足した市民団体。公会堂以外にも埋もれている建築遺産を発掘したり、解体されようとしている建築遺産を保全したりすることを主な目的として、次世代への継承支援活動を行う。

 「長崎市公会堂」と「日本二十六聖人記念館」を含む、歴史的価値がある複数の建築物を巡りながら街歩きを行う同イベント。参加者は13時に公会堂前広場に集合した後、建物内部を自由に見学。外を回りながら建築の特徴や見どころなどを同会メンバーが解説する。長崎市役所に移動して市庁舎や議会棟を巡りながら建て替え計画に対する同会の提案内容を聞いた後、坂本龍馬ゆかりの名刹(めいさつ)で「いろは丸沈没事件」の談判に使われた聖福寺(1677年開創)を見学。次に訪れる中町公園は、被爆からの都市復興のため約30年間にわたって土地区画整理事業を行ってきた長崎復興工事事務所があった場所。被爆遺構の中町教会を見学した後は、日本二十六聖人記念館(西坂町)へ向かい、モザイク壁画をはじめ、殉教史をベースとしたさまざまな図像が建築物に取り入れられている様子を見学する。同館会議室でフリートークも予定するが、博物館内の見学は含まれていない。16時30分に現地解散予定。

 同会広報担当の建築家・中村享一さんは「市役所建て替えに関する私たちの要望書がきっかけとなり、長崎市が『公会堂の一部を何らかの形で残せないか検討したい』と回答してくれた。活動が無駄にならず検討のきっかけになったことはうれしい。建築遺産が果たす役割を今後も広く一般の人たちに知らせていきたい」と話す。

 応募締め切りは2月15日。募集定員は50人。参加無料。詳しくはホームページで確認できる。

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