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長崎で「池島カフェ」第2弾-写真と動画を使い池島を体感する企画も

池島を空から撮影した写真

池島を空から撮影した写真

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 長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町)で7月20日、2001年に閉山した炭坑「池島」を体感するイベント「池島カフェ」が開かれる。主催は長崎外国語大学。

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 今年1月に長崎市内で開かれた同イベントの第2弾。池島は西彼杵半島沖に浮かぶ外周4キロほどの小さな島。旧外海町から2005年の合併で長崎市に編入された。古くは小規模な漁業や農業でわずかな島民が暮らしていたが、1958(昭和33)年に島内に人工港が完成したころから状況が激変。翌年には採炭操業が始まり、工場や病院、学校、団地が次々に建築された結果、1970年のピーク時の人口は7700人ほどに膨れ上がった。その後、石炭から石油にエネルギー政策が移る過程で石炭産業を取り巻く環境が厳しくなり、労使協力しての合理化など努力を続けたが事故に見舞われた影響なども重なり、2001年に九州の炭坑としては最後の閉山を迎えた。

 現在の島の人口は200人ほど。しかし数年前から軍艦島の廃墟ブームなどの影響もあり、「観光資源」として再び脚光を浴びることになる。映画やコマーシャルのロケに使われたり、炭坑体験ツアーが手軽に楽しめるスポットとしてテレビ番組などで紹介されたりしたことから、関東や関西方面からの観光客が押し寄せる人気スポットに変貌した。

 3部構成で進められる同イベント。第1部では導入としての池島紹介と、2011年から今年にかけて池島に起こった出来事を振り返るトークコーナー。ナビゲーターは長崎市地域おこし協力隊池島担当の小島健一さんと、長崎外国語大学の成瀬尚志・特任講師。

 第2部では「なぜ今『池島』なのか?」と題して、九州だけでなく関東や関西圏からも観光客が訪れるようになった発端や理由を解説するとともに、それらの人たちが池島に何を求めているかを考える。ゲストは「旅と平和」代表の佐谷恭さん、「リコリタ」代表の真田武幸さん、カオサン京都シアターの山戸恵利加さん。「観光地」として池島が今後どのように整備されれば池島にもっと多くの人が来るかも探っていく。

 第3部は「研究材料の宝島」。長崎外国語大学のプロジェクト科目、大阪大学のセミナーなどを紹介するとともに、今年発足した「池島プロジェクト」の視点、目標とする到達点などを語り合う。ゲストは神戸大学大学院の石川雅紀教授、大阪大学の中村征樹准教授と市田秀樹助教。長崎外国語大学からは「池島プロジェクト」のメンバーが参加する。

 「池島がやってくる」という全体テーマを設定。写真や動画などを駆使し、会場に居ながらにして池島にいるかのような体感を提供する企画も用意する。地域おこし協力隊の小島さんは「前回のイベントにも多くの人が関心を持ってくれた。閉山から10年ほどの島なので、トロッコなどの炭坑施設が現役で動かせることがほかにはない強み。人口はわずかながら無人島でもない。きっと面白い発見がある楽しいイベントなので、ぜひ立ち寄ってほしい」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は14時~18時(開場13時)。定員50人。参加費は500円(当日=1,000円)。参加費にはフェアトレードコーヒー1杯が含まれる。詳しくはイベント専用サイトで確認できる。

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