長崎のすし店「握りのはやし」(長崎市葉山町)が2月2日、長崎県内にある5つの児童養護施設の子どもたちに恵方巻きをプレゼントした。
2020年、岩屋町ですしの出前・持ち帰り店を開いた同店。翌年、コロナ禍で奮闘する医療従事者などに恵方巻きを寄贈していた。コロナ禍が落ち着いた翌年、店主の林健一さんが「こんな小さなすし店でも1年に1度くらいは子どもたちに幸せな気持ちになってもらうきっかけを届けることができれば」と長崎市内にあるマリア園、明星園、浦上養育院の3つの児童養護施設に恵方巻きを贈った。子どもたちから「おいしかった」「また作ってほしい」などの手紙が届いたことから、2022年11月に現在の場所に移転した後も毎年続く恒例行事になっているという。
毎年恒例の恵方巻きの販売は4年前から「ヨシダのバル」(岩屋町)とコラボ。今年は通常の恵方巻きや長崎県産のヒラマサ(ヒラス)やマグロ、エビ、タコ、イカにだし巻き卵とウニなど7種類の具材が入った「特選海鮮巻き」のほか、「ヨシダのバル宮崎チキン南蛮ロール」「ヨシダのバルサーモンロール」など6種類を用意。1月20日の予約開始から3分で900本が完売したという。
節分の恵方巻き販売に合わせ、今年はこれまでプレゼントしてきた3つの児童養護施設に加え、大村市と島原市の、合わせて5施設に30本ずつ、計150本の恵方巻きを寄贈。施設に入所するすし職人に興味を持つ子どもを招待し、職場体験も行った。
「長崎をすしで盛り上げたいという思いで店をやっている」と話す林さん。昨年11月に高浜海水浴場(高浜町)で軍艦巻きを軍艦島の長さに相当する480メートル、1万貫を並べギネス世界記録を目指す「軍艦大作戦」を企画した際も児童養護施設の子どもたちを招待していたが荒天で中止になった。「未来を明るく、頑張ってほしいという願いを込めて恵方巻きを巻いた」と話す林さん。「恵方巻きがきっかけで将来、すし職人を目指す子どもが出てくれれば」とも。