長崎経済新聞

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障がい者学習支援手がける脇葵依さん、スピーチコンテストで全国大会へ

オンラインでスピーチを披露する脇葵依さん

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 ホテルニュー長崎(長崎市大黒町)で12月3日、「2022年日本BPW連合会 西日本ブロック」が開催され、ヤングスピーチコンテストで障がい者学習支援を手がける脇葵依さんが最優秀賞に選ばれた。

ヤングスピーチコンテストの様子

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 日本BPW連合会は世界の働く女性の地位向上を目指して世界100カ国余りの国と地域が参加するNGO「国際BPW」に加盟する民間組織。全国の加盟クラブを5ブロックに分け、それぞれの地域で毎年1回、統一テーマを掲げたブロック研究会を開催している。

 同研究会では世界経済フォーラムが2006年以降、毎年公表しているジェンダーギャップ指数(GGGI)に注目し、ジェンダーギャップ改善に向けて議論や提言をまとめる。同時に次世代を担う若い女性たちに向けて世界的視野を含めサポートする活動する一環として、「女性が社会的地位を獲得していくにはいかに自分の考えをアピールできるかが鍵」という考え方から、20年前からヤングスピーチコンテストを行っている。

 「私と仕事・職業」をテーマに行われたコンテストには4人が出場。仕事でタイを訪れていた脇さんはオンラインでスピーチを行った。「I have a dream that we make borderless education one day」と英語で始まったスピーチで脇さんは幼い頃から持病を抱え、発作を恐れながら過ごした自身の幼少期を紹介。「同じ境遇の子を救いたい」と9歳の時に医療職へ進む道を決めた生い立ちを紹介。20歳のときに持病が完治したことで多様な価値を探すためカンボジアを訪れたときの思い出を話した。

 貧困や性暴力がまん延し、格差や差別で将来の夢を答えることができないカンボジアの子どもたちの姿を目の当たりにしたことで、「子どもたちを守るためには教育と医療の重要」と痛感した脇さん。その後、オーストラリアで国際保育士、日本で作業療法士の資格を取得している。

 生まれながらに脳性麻痺(まひ)を患う10歳の少年が母親に話した「お兄ちゃんは英語習っているのに僕はできないね。大人になるのが怖いよ」という言葉が、脇さんが現在取り組んでいる「ダイバーシティ学習」の原動力になっているという。

 自身が代表を務める「長崎国際交流団体 Nakama(ナカマ)」の力も借りながら現在取り組んでいる脇さんの活動は、障がいや貧困の問題によって教育を受けられない子どもたちにインクルージョンを生むコミュニケーションや職業体験など生活していくための知識を体験として学ぶ仕組み。オンラインを通じて全国で授業を行う。病気や引きこもりで学校に行けない子どももいることから「心のつながり」も大切にしているという。

 「『生まれた環境に左右されず、やりたいことが実現できる社会』を創造したい」と話す脇さん。最後は手話で「まだ見ぬ未来。私はジェンダーの平等、ハンディキャップを超えて長崎から世界へ輝く虹を架けていきたい」という。

 脇さんは来年5月27日に行われる全国大会に出場する。

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