長崎で世界最年少「お化け屋敷幼稚園」 年長組46人がゾンビに変身

職員らが園児に特殊メークする風景

職員らが園児に特殊メークする風景

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 長崎市出身の「お化け屋敷のスペシャリスト」マイケルティー・ヤマグチさんがプロデュースするリアルホラーゲームアトラクション企画「聖オバケリア幼稚園」が6月5日、認定こども園「中央幼稚園」(長崎市琴海戸根町)で開催された。

渡辺力園長

 マイケルティーさんは、「滝沢演舞城」「ジャニーズシアター」「リアル鬼ごっこ」「心霊病棟」「渋谷怪談」などの映画作品で、「鬼」のマスク造形美術やゾンビなどの特殊メークと同時にホラー演出を担当。地元の西洋館(長崎市川口町)で手掛けたお化け屋敷「パンドラの箱」は、20年以上経過した今でも「怖かった」と記憶している市民が多い。1992年ごろから人通りが少なくなった商店街や廃業した施設など、全国のさまざまな場所を集客施設に生まれ変わらせる「お化け屋敷リノベーション」の提唱者としても知られる。

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 1976(昭和51)年に開園した同園の敷地は約4673平方メートル。渡辺力園長をはじめとする常勤職員のほか、複数の外部講師も指導する。広大な農地に囲まれた自然環境の中で、園児らは伸び伸びと育てられている。今回の企画は、地元のラジオ番組にマイケルティーさんが出演することを知った幼稚園関係者が、マイケルティーさんを渡辺園長に紹介して実現した。

 本番前日のリハーサルでは職員らが暗幕で覆うなど準備を進めてきた教室に、ホラー映画で実際に使われた「死体」などを配置。触って遊ぶ子どもや恐る恐る近づく子どもなど、園内はゾンビに扮(ふん)する年長の園児46人の歓声に包まれた。恐怖レベルが教室ごとに違い、職員が園児一人一人の希望を聞いて「担当」を振り分け。東京からも複数のテレビ取材スタッフが訪れ、マイケルティーさんや、指導を受けた職員らが園児に本番さながらのメーキャップを施す風景などが撮影された。

 マイケルティーさんが園児らに注意事項を伝える際、「節分で園長先生の鬼に泣かされて悔しくないか?」とうっかり口を滑らせる一幕も。「鬼は園長先生なの?」と一斉に動揺する園児らに「そっくりさんと間違えた」と大慌てで取り消した。

 本番当日、メーキャップが早く終わった園児らが退屈しないように絵本の読み聞かせをするなど、職員らは園児の対応に追われながら自身の準備も進めた。アトラクションには「毎年、園長先生の鬼に泣かされっぱなしではメンツが立たないと奮起した園児らが、謎の男によりゾンビに変身。先生たちを襲い、園長先生をどこかに閉じ込めた。駆け付けた保護者らは園児に元の記憶を取り戻させ、ヒントを基に先生たちや園長先生を救出する」というストーリーが設定されている。

 開始時刻の14時になると、3~4家族ずつ12組のグループに分かれて待機していた保護者らは、懐中電灯を手に1組ずつ入場。入場直後から悲鳴を上げる保護者も多く、待機する人の中には「そんなに怖いの?」と恐る恐る入り口方向を見守る人もいた。

 終了後、職員の一人は「暗い部屋で怖がるだろうと心配していた子たちが全く平気だった反面、大丈夫と思っていた子が泣きだす場面があった。子どもたちの意外な一面を知ることができた」と話す。ある園児の父親は「クオリティーが高くて驚いた。普段は怖がる子どもが暗い教室でよく待てたと思う。一生の思い出になると思うし、心から褒めてやりたい」と笑顔を見せた。

 渡辺園長は「お化け屋敷の企画と聞いて最初はかなり戸惑ったが、これが本当に子どもたちのためになるかどうかで最終判断した。保護者の皆さんにご理解いただき、子どもたち一人一人が表現力を養ういい機会になったと思う。保護者の評判が良かったのもうれしい」と振り返る。

 マイケルティーさんは「予想をはるかに超えて子どもたちが頑張ってくれた。自分自身、自分の才能に気付いたのも幼いころの経験から。この体験をきっかけに自分の才能に気付いてくれたらうれしい」と話す。同企画は「世界最年少お化け屋敷」としてギネス世界記録認定を申請する。

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