「長崎しまの芸術祭」「若者アートLOVE長崎創造プロジェクト」に関わる連絡会議が1月28日、長崎県庁(長崎市尾上町)で開催された。
2つのイベントは長崎県文化観光国際部文化振興課が芸術を通して離島での交流人口拡大を目指し、若者の育成と地元定着につなげてもらおうと行うもの。
世界遺産に認定された教会でクラシックコンサートを開いたほか、県外から著名演奏者を招待して一般の愛好者向けのキャンプや地元にまつわるアート作品の制作展示を行うなど音楽や文化、芸術にまつわる独自の特色あるイベントを県内各地で展開している。
報告会ではイベントを企画した各実行委員会の代表者がそれぞれの活動について報告を行い、今後の活動に向けた意見交換を行った。各実行委員会と県が連携して取り組んでいるSNSでの発信についてのセミナーも行われた。
第2回渋谷短編映画祭を主催するSTFF-S実行委員会の志岐誠さんは、「現在仕事をしている渋谷と出身地である佐世保を映像文化のリーダーシップを取る都市にし、短編映画の街として世界常識にしたいという思いで映画祭を企画した」と話す。2月2日・3日にアルカスSASEBO(佐世保市)でCLIMAX10作品の上映と最優秀賞や各賞の発表を行うという。
映画祭のMCを務める里内伽奈さんと佐野弘樹さんのダブル主演で、県立大学の学生などと一緒に渋谷と佐世保を舞台にしたオリジナル短編映画「夕焼けスクランブル」も製作した。志岐さんは「映画祭を盛り上げるだけでなく、学生にも製作に携わってもらうことで地元定着のきっかけになるなど、得てもらったものがあればうれしい」とほほ笑む。
イベントとプロジェクトを後押しする県・文化振興課の山浦義次さんは「文化芸術に携わる人材とイベントなどを企画する地域のリーダーとなる人材の両面から育成していくことで地元に若者が定着するきっかけをつくっていくと同時に地域のブランディングに役立ててほしい。両プロジェクトは3年計画の1年目を終えたところだが、その後も各地域に実行委員会の体制が残り、自主的に継続してもらうことが目標」と話す。「芸術祭は東京芸術大学にも協力してもらうことで、県内大学とも連携していくきっかけとなっている。連絡会議を通して各実行委員会の間でのつながりから相乗効果が生まれればうれしい」とも。