昨年10月にオープンしたカフェ「NGS coffee」(長崎市大黒町)が4月5日、グランドオープンから半年を迎えた。
店名の「NGS」は、長崎空港を意味するスリーレターコード(各空港に割り当てられているアルファベット)に由来する。店主の古館伸二さんがコーヒーと旅が好きなことから、空港の雰囲気とコーヒーを融合し人が交わる空間を作りたいと2017年3月に開いた「FUK coffee」(福岡市中央区)の2号店として長崎に出店した。
「長崎への強い愛を随所に詰め込んだ」という店内は、レンガ造りのカウンターや路面電車の座席を模した長椅子を備えるほか、県内唯一の土管の生産地・川棚町から運び込んだという土管を置く。床に敷かれた石畳はあえて固定していないことから、客が歩く度にカタカタと音が出る様は、店の正面を横切る路面電車通過時の音を再現しているという。ケーキを提供する食器にも波佐見焼を使い、長崎らしさを演出している。
「日本で初めてコーヒー文化を出迎えた長崎。長崎の人にこそコーヒーの魅力を知ってもらいたい」と話すバリスタの下神明郎さん。「オープンから半年、中高生から年配の方まで、幅広い年代のお客さまに来店いただき、何度も足を運んでくださるお客さまも増えた」と話し、コーヒー本来のフルーティーな甘みを味わえるスペシャルティコーヒーを提供していることから、「コーヒーが苦くて飲めなかったというお客さまが当店のコーヒーなら飲めるという喜びの声も頂いている」と手応えを感じている。
地元客に、よりコーヒーを楽しんでほしいと、ラテアートのワークショップも企画している。4月20日開催分はすでに予約で満席だが、今後も毎月開いていく予定だという。
初めての春を迎えた同店では桜の季節に合わせて4月14日まで、「さくら咲くソーダ」を限定提供。トップに桜の花びらをあしらった同メニューは、桜シロップの「優しい」甘さに、レモンゼリーの酸味とイチゴの果肉を包んだゼリーの食感がアクセントとなっているという。
店内では、マグカップやタンブラー、トートバッグなどのオリジナルグッズも販売。「少しでも長崎を盛り上げる一助になれれば」と、雲仙の業者とコラボしたロゴ入りコットン靴下も取り扱う。
常連客がレゴブロックで作った店内カウンターのミニチュアをうれしそうに眺める下神さんは「地域に愛されるコーヒーショップでいられるよう、これからも精一杯頑張りたい」と意気込む。
営業業時間は8時~21時。