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女神大橋にスポットを当てた「長崎さるく」 時代の架け橋にちなみ

女神大橋の説明をする黒田さん

女神大橋の説明をする黒田さん

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新元号「令和」が始まったことをにちなみ、今も昔も長崎の海の玄関口となっている女神大橋周辺にスポットを当てた「長崎さるく」が5月12日、行われた。主催は長崎国際観光コンベンション協会。

神崎稲荷神社境内から女神大橋を望む

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 2006年4月から約半年間にかけて行ったまち歩き博覧会「長崎さるく博」が好評だったことから、同協会が規模を縮小した街歩きイベントを年間通じて開催している「長崎さるく」(「さるく」は長崎弁で「まちをぶらぶら歩く」の意味)。

 同イベントは、「長崎」の魅力を広く伝え、観光によるまちづくりとまちの活性化に取り組むNPO法人長崎の風が4月に新たにスタートした「新長崎八十八ヶ所さるく」の2回目として企画されたもの。同NPOは「長崎さるく」の企画も数多く手掛けている。

 9時30分に木鉢公民館前バス停(長崎市木鉢町)に集合した参加者11人は、代表の黒田雄彦さんと平山智秀さんの案内の下、長崎の港の周りに浮かぶ島々や周辺に見える教会などの説明を受けながら女神大橋のたもとにあり、古くから商売繁盛や金運のご利益を願って多くの商人が参拝する金運のパワースポットとしても知られる神崎稲荷神社(西泊町)を目指した。

 海の玄関口となっている長崎港の最狭部に2005年に開通し、斜張橋としては日本で6番目となる橋長1289メートル、海抜65メートルと日本一の高さを誇る女神大橋は、見た目の美しさから長崎の顔にもなっていることから、元号が変わったことを受けて「時代の架け橋」という意味を込めこの場所を選んだという。

 同神社は「金貸稲荷」と呼ばれ、以前にも参拝したことがあるという参加者の男性は「社の前に置かれたざるのようなさい銭入れからお金を借り、次の参拝時に倍にして返すとご利益があるという言い伝えがある」と話し、「今日は以前借りたお金を返しに来た」とさい銭を入れ参拝した。

 黒田さんは「現在は神社となり、港を一望しながら豪華客船の通過を間近に楽しめる風光明媚(めいび)なスポットだが、元々は江戸時代に平戸藩が設置した台場(砲台)のあった場所」と説明すると参加者から驚きの声が上がった。江戸時代、唯一対外貿易が許された長崎は野母崎にある権現山に物見台(見張り台)が設置され、不審な船が近づくと、のろしをを上げて港の周りにある台場から攻撃して外国船を追い払うための体制が敷かれていたといい、港を警備するためにどのような体制が取られていたかなど港の歴史について解説があった。

 神崎稲荷神社を後にした一行。「橋ができても自動車専用だと通り過ぎるだけの場所になり、街が廃れる事例があったことから、この橋には人や自転車が通る場所が設けられている」と黒田さんは橋建設にまつわる話にも触れ、徒歩で女神大橋を渡り対岸の台場跡である魚見岳を目指した後、12時に女神バス停で解散となった。

 平山さんは「長崎には四国の八十八ヶ所巡礼にあやかって延命寺を皮切りに『長崎四国八十八ヶ所霊場』がある。この企画はそれを模して長崎の風が独自に八十八ヶ所を認定し、月に一度、皆さんで巡りながら長崎の隠れた魅力に触れようというもの」と話す。6月9日には淵神社(淵町)をスタートして稲佐のキリシタンにまつわるスポットを巡るという。

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